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1月25日に大阪府市が公表した広域一元化「条例案・骨子」解説

大石あきこです。

先ほど「大阪市24区を8区に減らすの市民意見を聞かなくていい理由ヤバすぎ」という記事を書いたところですが、もう一つ、大事なことがあります。

24区を8区に減らす「総合区」も「都構想的なもの」の1つですが、
大阪市のおカネを、府がカツアゲするための「広域一元化」条例のほうが、さらに、都構想的なものと言えるかもしれません。

大阪市がえらいことになってます。みんなの力でもう一回止めましょう。


1月25日に、その「広域一元化」条例案の骨子が公表されました。
条例案は、大阪府のホームページでのみ公表。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/40016/00383488/fushi_jorei_kosshi.pdf 
しかも、それだけではなく、大阪市はパブコメ(意見募集)もしません。大阪府だけがパブコメします。
総合区もパブコメしないこともあわせて考えると、大阪市は都構想的なものについて、もはや市民のためのパブコメはやらないってことだと思います。

これって、すでに大阪市の主権は奪われ、乗っ取りは半分は完了しているということなんですが、大阪市民がその主権を取り戻しに行くためにも、この条例は絶対に阻止するべきです。

この骨子への大石の全体コメントは以下です。

①新型コロナで、大阪の死者は全国一位。入院できない人も多く、病床はひっ迫している。お店の時間短縮などで市民の雇用も、生活も追い込まれている。何より命を優先に打開をすべき時に、何をやっているのか!この一点だけでもありえない。職員のリソース、お金はすべてコロナ対策に振り向けろ。

 

②大阪市民の住民投票の結果をなきものにしようとしている。莫大なお金をかけて市民を二分して投票をやった。そこで嫌だと明確に言ったのに、「ちょっとだけだから、いいでしょ?」としつこく迫ってくるハラスメントおっさんなのか。大阪市民への人権侵害である。

 

③市民の意見を反映させる大阪市会の議論の前に、「副首都推進本部会議」という上位機関を置き、事実上の決定機関とする。これでは「一体的」ではなく、大阪市の権限と財源を大阪府に「一方的」に渡すだけ。府で決定された開発の費用は大阪市民だけが負担となる。まさに大阪府による大阪市民への「カツアゲ条例」である。

 

④彼らの言う「大阪の成長」戦略は、大阪市民を豊かにするものではない(11月公表の「再生・成長に向けた新戦略(案)」でも、カジノ(IR)、スマートシティ、インバウンド、国際金融都市という戦略)。大阪市内で金が儲かることがやりたいから、大阪市民に文句を言えないようにする仕組みを作ろうとしている。

 

 

なぜ上記のように思ったのかがわかるように、以下、骨子の項目ごとにコメントします。(「⇒青い文字」が大石コメント部分)。
一番大事なのは項目7です。

項目1(条例の名称)へのコメント
⇒項目7から明らかなように、「一体的」じゃなくて「一方的」な大阪市の権限と財源をとりあげる内容。これは「カツアゲ」だろ

項目2へのコメント
⇒ カツアゲされたあげく、誤ったインバウンド依存の成長戦略によって大阪の経済低迷が深刻化してしまう。この「趣旨」は「都構想」と同じ路線であり、大阪は都構想を進めた10年で他都市より成長しなかったことから、この路線を変えることこそ必要。(以下は大阪が他都市より成長していないグラフ。れいわ新選組作成。)

項目3へのコメント
⇒ 「都構想」の誤った基本理念をひきずって「二重行政」のデマで大阪市民をあざむこうとするコソクなものです。
詳しくはこのブログ記事参照

都構想 最大の大義「二重行政」が控えめに言って「言いがかり」だった件

https://www.oishiakiko.net/2020-10-19-tokoso-2jugyosei-uso/

項目4へのコメント
⇒ 「条例に定める事項を誠実に履行する」のは一般的に
当たり前なのですが、あえて書いてある理由は1月22日の副首都推進本部会議で説明されました。『副首都推進本部会議を「決定機関」と書くことができなかったため』という説明でした。したがって、この責務規定は、「副首都推進本部会議が事実上の決定機関となる」ねらいで書かれています。

松井市長は、公明党の賛成を取り付けるために、「たいしたものじゃない」「10年間やってきたことを明確にするだけで、拙速ではない」と言いますが、まさにこの10年間、特別顧問(東京の御用学者たち)が仕切る会議で、次々と大阪の行政資源が切り売りされてきましたね。
担当部局は、副首都推進本部会議(かつては府市統合本部会議)の決定を「天の声」として降ろされ、まともな検討なく思考停止して進めています。この条例や総合区もしかりですが、これまでの住吉市民病院の廃止、衛生研究所の統合・独立行政法人化など。パンデミックや災害が起きたときに大変なことになることも知ってて、指摘も受けてて、やりましたね。
このような、役所が住民を裏切る政治を恒久化するためのあくどい条例です。

項目5へのコメント
⇒ 「本部長:知事  副本部長:市長」とあります。ここでは、
知事と市長は対等ではなく、あくまで知事が上位で、最終責任者となります。さらに項目7以降での事務委託によって市の権限が府に移譲されて、大阪市が関与できなくなります(違法の可能性)
似たような会議体の仕組みとして、地方自治法が規定する「指定都市都道府県調整会議」は、協議に応じる義務はありますが、知事と市長は対等。総務大臣の勧告を求める申出も可能とされます。すでにある「調整会議」と別に、二重に、この規定を作るのだから、やはり大阪市の権限を解体するものです(そうでなければ、調整会議を二重に作る意味がありません)。

参考)総務省ホームページの説明資料「指定都市都道府県調整会議PDF」

 

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/bunken/chihou-koukyoudantai_kubun.html

項目6へのコメント
⇒ 副首都推進本部会議は、都構想をやるために、ここにかかげられたことばっかり話してきたわけなんですけど。
都構想否決されて、解散もせずに、これを「調整会議」として続けることの意味は?
項目5で挙げた
「指定都市都道府県調整会議」では、介護施設の整備や、中小企業支援、治水対策など、住民に必要な公共事業の例をあげているのに、この骨子では、まるで興味がないのが異様です。
どんな大阪市にしようとしているのか?インバウンド依存のIR(カジノ)、万博、そして中小企業淘汰と悪名高いスマートシティですね。維新の本質がよくわかる。12月28日の副首都推進会議でもそんなことばっかり言ってました。(https://www.oishiakiko.net/2020-12-31-stop-tokoso2/


国ですら「住民のためのことを調整会議でやるのがいいんじゃない?」って言ってるのに、違う調整会議でずっとタラタラ都構想のこと話し合おうなんで、ほんとふざけてます。
さらに、松井市長は1月22日の副首都推進本部会議後の会見で、「大阪市民は大阪府民。大阪市議会の権限など市民にとってはどうでもいい」と発言しています。これが目的ですよね。大阪市議会の権限をなくすこと。

それにしても、辞職もののとんでもない発言です。
二元代表制のもと、議会への真摯な態度を求められてる首長が、自分とこの議会の存在を全否定してどうするんや。大阪「市」民の声がもっとも届けられるのは、府議会ではなく大阪「市」会。ここを骨抜きにしようとしている。市長としてあるまじき発言。
そしてなにより、松井市長の言ってることって、いまだに「大阪市はなくなったほうがいい」という路線やん。はき違えないでください。その路線が間違ってると市民につきつけられたから「政治家引退」するんでしょ。転換すらできないんじゃ、一日も早く引退しないと無理ですよ。

 

項目7へのコメント
⇒ (※1)はすでに実施済みなので、とりわけ(※2)の「市→府」への
事務委託が大事なんですね。この条例の「ねらい」の具体的な部分。
市から府への事務の委託の対象は、報道にもあるかなり絞った形です。この絞っている部分に何があるのかをみんなが見ていかないといけないんです。
というのも、大阪市の都市計画を部分的に府に権限委譲するということは、合理性が非常に低いので、それを上回る動機が、吉村知事と松井市長に働いているということです。
そもそも「都市計画」をずっと大阪市がやってきた歴史からして、ノウハウはどうしても大阪市にしかありません。また、都市計画権限を丸ごと大阪市一括だったものを、パッチワークで委譲することも事務が煩雑になります。

だから、ここだけは「むしり取りたい」「住民の反対を押し切ってでもごり押したい開発」があるということです。少なくともわかっているのは、万博、カジノ、高速道路の開発においてですね。

他にも、国が進めるスマートシティ特区や金融都市構想を大阪市内でやろうとする過程で、大阪市内の市民や事業者の利益に反する(地域で反対運動が起きてしまう)ことが起きるのだと思います。

なのであらかじめ「大阪市」から「権限とお金」を奪って、住民・事業者のクレームをかわす、そして議会にはからなくて済むようにしたい、というのがあるでしょうね。公明党市議団にお伺いたてるのもけっこううっとおしいですもんね、風次第でそっぽ向いてくる風見鶏なんだから。

特に、都市再生特別地区の指定は、住居地域など「用途地域」に関わらず、開発の規制をとっぱらうもの。このあたりを自由にすることで、住民の反対をかわそうとしています。

項目8へのコメント
⇒ むちゃくちゃ急いで策定してるな。っていう施行日なんですよね。
なんで急いだかというと12月28日に東京の学者の岸博幸さんが、「スマートシティ特区を進めるためにも、広域一元化条例はとにかく急いで3月にも通して」と言ったからです。(リンクの拙ブログに会議録あり。)


以上、この条例が目指している大阪市ってどんなものなの?と考えたとき、
大阪府がやると決めたら、
大阪市の議決なく大阪市の財源が使われるということですね。
何に使われるか?
夢洲という市民が住めない場所で、万博、カジノ、スマートシティというコロナ禍であり得ない計画を、
跳ね上がった開発費を言い値で、大阪市民が負担させられるということ。
医療や介護、中小企業支援といった今一番必要なことには、お金や人員は使われませんよ、ということ。

・・・これ反対して止めるしかないですよね?
以下の署名に協力してくださるのは、大きな影響になります。
また、今の大阪市議会でカギを握るのは公明党議員です。公明党の議員さんに「この条例やめて!」と言いに行くのはすごく大きな影響になるでしょう。

また、大阪市はパブコメしないのはおかしいですが、大阪府のパブコメにはそのあたりも含めて意見を出しましょう。以下の大阪府サイトでメールで受け付けられています。2月20日まで。

http://www.pref.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/fushi_ittaiunei/publiccomment.html

みんなで出来ることをやりましょう。