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都構想 最大の大義「二重行政」が控えめに言って「言いがかり」だった件

みなさんこんにちは。大石あきこです。

時間のない人用に、この記事の結論:

  • 「二重行政のムダ」は言いがかり
  • 「二重行政」と言われてるのは、市民に必要な身近な行政サービスだった

じゃあ、なんで住民投票までやっているの?

狙いは、「広域行政の一元化」と言われている事務の2000億円です。

これは、大阪府が使い道を決めることになります。つまりネコババです。

 

カツアゲ、ネコババ、言いがかり。
だから、あかん!都構想。
投票までの最後の約2週間。一人でも多くの人に事実を知ってほしい。


以下、解説をぜひお読みください。

11月1日の「大阪市を廃止し特別区を設置することについての住民投票」。
最大の焦点が、「二重行政の解消」。
世論調査でも、大阪市の廃止に「賛成」の理由の半分は、「二重行政の解消が期待できるから」となっています。

https://www.asahi.co.jp/abc-jx-tokoso/

 

 

この「二重行政」って、具体的には何のことでしょう?

 

今回、大阪市が全戸配布した説明パンフレット(写真)に書いていることと、維新の会の主張について、「二重行政」がどこまで本当なのか、調べてみました。 


まずは、「二重行政」という言葉がどう使われているか、おさらいしましょう。

下の写真は、10月12日の吉村知事、松井市長の演説。
このように「二重行政を解消し、大阪を成長させる」「この10年間二重行政のムダを排除してきた」と繰り返しています。


それから、菅首相も、次のように「大阪都構想は、二重行政の解消」と発言しています。(写真の当時は菅長官)

官邸までそう言うんだから、「言いがかり」なんてことは・・・。

大阪維新の会の「都構想」ホームページを見てみましょう。
これは二重行政、悪そうだぁ。


税金でムダなビル建てて2つも破たん。あかんよね。

二重行政排除したら、もう、ムダなビル建てなくて済むよね!

・・・ここ、ホンマでっか?大事なところですよね。

検証してみましょう。

 

 

そこで、2つのビルについて調べてみました。

(1)【大阪市】ワールドトレードセンタービル(WTC)

  • 1988年7月 臨海部に新都心の整備を目指す「テクノポート大阪」(基本計画)を策定
  • 1990年3月 252m・総事業費980億円建設計画
  • 着工:1991年3月
  • 竣工:1995年2月
  • 2003年 破産 →2011年に大阪府が咲州庁舎として買収
  • 総工費 1000億円
  • 高さ 256メートル

 

 

(2)【大阪府】りんくうゲートタワービル(GTB) 

  • 1990年11月 ゲートタワービル基本設計概要(260mツインビル) ※1994年関西国際空港開港による「りんくうタウン構想」の一環
  • 1992年着工 バブル崩壊になったが、1棟先行建設
  • 1996年竣工
  • 2005年破産
  • 総工費 620億円
  • 高さ 256.1メートル

いやー、やってくれたな大阪市と府。こんなムダで巨大なものを競って作って破たんとは。


よーし、この30年前の失敗を繰り返さないためにも、今こそ二重行政を・・・

 

え?「二重行政」の最たるものが、 30年前の話?

 

 

30年間も生じてないことなら、ちょっと政令指定都市の大阪市をぶっ壊すの、とどまったほうがよくね?

あれ?ていうか・・・
今、大阪府と大阪市、同じ過ちやってません?

夢洲タワービル

  • 2017年8月に夢洲まちづくり構想(IR(カジノ)・万博想定)
  • 2018年12月 大阪市100%出資の大阪メトロが夢洲タワービル計画発表 ※2025年 万博開催決定
  • 総工費 1000億円
  • 高さ約275メートル・・・ ひそかに高さも競ってません?

大阪IR事業

  • 2017年8月に夢洲まちづくり構想(IR(カジノ)・万博想定)
  • 投資規模 9300億円!


30年前のビルの破たんが「二重行政」「税金のムダ」だって怒ってる維新の人たちが、さらに大きな博打「カジノ開発」に税金を突っ込もうとしているんです。
お客さんとしてあてにしたインバウンド(外国人のお金持ち)はコロナで99.9%蒸発したんですよ。

「今度は民間企業(カジノ業者)がお金出すから、WTCとかとは違う」って言い訳がでてきそうですが、それは無理スジです。
30年前の失敗の歴史、もう一度見てみましょう。


30年前のビルは、「二重行政のせい」だったのか?
それらのビルがムダなのはそうとして、二重行政のせいだったのかどうか、はハッキリさせておきたいですよね。

この30年前の2つのビルの経過を見ると、大阪府と大阪市があったから、2つも建設されたものではありません。

りんくうタウンは、関西国際空港の玄関口の開発のためでした。

1990年11月のゲートタワービル基本設計概要では、下の写真のように260mツインビル計画でした。 

なんかコンセプトが夢洲タワービルにそっくり・・・
なんかコンセプトが夢洲タワービルにそっくり・・・

下の写真は、当時の「りんくうタウン構想」の将来イメージです。

なんと、地上100m以上の超高層ビル計画は13本計画されていたそうです。今思えばアホですかと・・・

三菱商事など関西財界は競って、りんくうタウンの高層ビル計画を発表していた。みんなが儲かると思って、わくわくしていたんですね。1992年には、バブル崩壊で民間資本は撤退しました。でも「りんくうゲートタワービル」は、りんくうタウン構想のシンボルだったので撤退できず、1本で着工してしまい破たん。

 

その後、りんくうタウンはぺんぺん草しか生えず、長きにわたり「負の遺産」と呼ばれてきました。


「二重行政でムダなビル2本」ではなく、大阪府が、民間資本を呼び込んでりんくうタウンに13本建てようとして未遂だった事件、というのが歴史の真実です。

これは、「大阪市」との二重性が原因ではありませんね。大阪府の失敗です。
そして今進められているカジノ開発は、この事件と同じかそれ以上の無謀なもの、といえませんか?

 

喜多見 富太郎 教授(京都産業大学)の解説。

「成長政策的観点からの二重行政の弊害」とは、

●大阪が長期的に衰退し結果的に東京一極集中を招いたのは、大阪府と大阪市が、広域行政の分野でお互いに変な意地を張り合って必要な協調行動ができず、ともに中途半端な都市基盤整備しかできなかったことが原因であるという主張です。

 

●しかし、大阪が、東京都のように大都市基盤の整備がすすまなかったのは、政令指定都市制度のせいではなく、単に大阪府にその能力やノウハウが欠如していたからでしょう。現に、大阪府には、かつて東大阪の荒本や堺市の中百舌鳥、泉州のりんくうタウンに新都心を整備する構想がありましたが、ことごとく失敗に帰しています。

https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/ju/2020_0930ju_kyoin_txt.html



結果としては、「二重行政の問題」ではなく、「ムダなビルとか開発はダメ」というだけですよね。
じゃあ、「都構想」で大阪府と市がやろうとしている「夢洲タワービル」、ムダな開発に終わってしまいませんか?

この夢洲タワービル、WTCのすぐ隣の埋め立て島だから、同じ軟弱地盤です。
WTCは2011年3・11の大震災で大阪府内で唯一大揺れしたビル。構想タワーは横揺れはさせざるを得ないので、夢洲タワービルも同じことになりますよね。

なんか
「30年前の二重行政(ムダなビル2個)を、解消します」
のセリフが
「30年ぶりにムダなビル1個だけは、作らせてください!」
の言い訳に聞こえてきたなコレ。

・・・まあ、他のことで「二重行政のムダ解消」になるのかもしれませんし。
もう少し見ていきましょう。

大阪市の説明パンフレットで示す、他の「二重行政」

大阪市説明パンフレットの9ページで、似たような施設を大阪府と大阪市が作ったことや、広域インフラ整備が遅れたことをあげています。

 


「二重行政の解消は進まず・・・」

と書いてあるので、1個1個、進捗を確認して、赤いラベルを貼り付けてみました。以下のとおり。

・・・て、おーい!
全部「解消済み」やんけ!
(重複解消の是非はともかく)


重複機能として挙げられた府立と市立の施設は、すべて解消済み。
是非はともかく、信用保証協会の統合から始まり、住吉市民病院の廃止(府立急性期医療センターでの機能統合)、大学の統合などなど。

大阪市を廃止しても、これ以上、2つあるものが1つにまとまるものはありません。
あったら掲載するよね。説明会(※)でも聞かれて、大阪市の担当は1つも挙げられませんでした。
(※)YouTube動画の1:03:50あたりからです。
https://youtu.be/80S4trNhRyM

これ、大阪市を廃止しても「二重行政の解消効果はない」、ってすごい事実じゃないですか?

「大阪市廃止」いらなくない? コストかけて、コロナで大変な大阪市民に投票させて、住所変えさせて、何のためにやるの?

これをめぐって「大阪市廃止が是か非か」言うてるんですよね。
マスコミは報道しないんでしょうか?報道してください。

あ、でも「維新のパンフレットには、大阪市のパンフに載ってない二重行政の例があるよ」
と思う住民さんもいらっしゃると思います。それも見ておきましょう。

維新の会のいう「二重行政」の具体例

下の写真は、大阪維新の会がポスティングしている「都構想まるごとスッキリBOOK」です。

 

二重行政によるムダな投資として、

りんくうゲートタワービルのほか、

①グランキューブ大阪×インテックス大阪(いずれも会議場)

②ドーンセンター×クレオ大阪中央

③府立中央図書館×市立中央図書館

を示しています。

 

「都構想費用の何10倍もの税金がムダに使われてきました」って書いてますね。

 

えっと・・・ムダですか?

えっと・・・
インテックス大阪って、去年の2019年G20の会場(下の写真)でしたが。

大阪府知事と市長が力入れて呼び込んできたやつ。
ムダでしたか。

 

市民の活動を支援する「ドーンセンター」「クレオ大阪」がムダですか?会議室使用率は高い。
民間の会議室と違って安い金額で市民が集えるスペースとして、もっとあってもいいんじゃないの?

 

「図書館」が2つあったらムダですか?

 

もったいないですか?

結局、「二重行政」って何なん??

具体的に見ていくと、大阪市と大阪府が二重でムダというものは、いま、ありませんでした。じゃあ、何のために大阪市を廃止するの?

 

これ、「二重行政」って、ほとんど言いがかりでは

 

 

言いがかり:「二重行政」のせいでないことを、「二重行政」のせいと言うこと。


言いがかりをする理由は、なんでしょうか?
夢洲タワービルを「1個」、どうしても作りたい。
カジノ開発をやりたい。お金持ち相手のお商売で一山あてたい。もしあてれなくても、その過程で、自分たちの身内はおいしい思いができる。そういう支配層の方々の思惑があるのではないでしょうか。
 


以下は、また長くなるので、まだ体力残っている人には、ぜひ読んでいただきたいものです。

そもそも、「二重行政」と呼ばれるものに、本当にムダなものがあるのでしょうか?

 

もう一度、大阪市の説明パンフレット9ページの図を見てみましょう。

すべて、統合・廃止などになってしまいましたが、2つあったらムダなんでしょうか。

事例① 信用保証協会は2つあったらムダだったのか?

2015.11.14の資料ですが、豊かな大阪をつくるシンポジウムでの大阪市立大学商学部 本多哲夫 教授の資料をご紹介します。

  • 大阪市の信用保証協会は、大阪市内の中小企業を専門的に保証していた。しかし、「二重行政の象徴的存在」とやり玉に。
  • 「大都市中心部には膨大な企業集積があり、保障ニーズが極めて高いため、2つの機関で並行して保証サービスを提供している。」
  • 「しかし統合により職員数は減少。大阪市エリアでは中小零細企業の衰退が著しいのに、職員数が減らされたということは、さらに地域経済状況は悪くなる」

 

事例② 地方衛生研究所は2つあったらムダだったのか?

大阪市と大阪府の2つの「地方衛生研究所」が「二重行政」と言われ、関係者の反対を押し切って、2017年4月に統合されました。

(いまは、大阪府市の共同設置)

 

  • 地方衛生研究所は、あらたな感染症などを迅速に原因究明する専門機関です。
  • すべての都道府県と、政令指定都市、多くの中核市、そして東京都の特別区(江戸川区、足立区、杉並区、世田谷区)にもある。お金のある自治体は身近なところに研究所を作りたいのが普通です。

大阪市が廃止されたら、衛生研究所は大阪府の事務となっていますので、特別区には研究所はなくなります。

つまり、東京都の特別区以下になります。

 

いま、新型コロナで検査体制の強化が求められていますが、もっとも感染が多い大阪市内で検査を迅速に行う機関を失っていいんでしょうか。

研究所を失うことは、単に弱体化です。

その他の機関も同じです。都市の問題が集まる大阪市内で、専門的に対応してきたのが事実ではないでしょうか。ムダと言えるものはあるでしょうか?

「広域インフラ整備の遅れ」は、府と市の対立が原因か?

「広域インフラ整備の遅れ」とパンフレットにも記載されていますが、「府市間をはじめ、関係者間の協議」に時間がかかったと言ってます。具体的にどのようなことでしょうか。

  • 「阪神高速道路公団が民営化されたことで、高速道路の整備にあたって地方負担が求められることになった。とはいえ、その整備費は膨大な金額となることから、国との負担割合での協議に時間がかかった」(「大阪市会議員・川嶋広稔の大阪都構想の「真実」を語る!」)
  • 「(なにわ筋線は)営業権をめぐってJR西日本と南海電鉄の調整が難航。どちらか握るか、なかなか決着しなかった」(府の担当者※2020年10月11日朝日新聞)

つまり、国との協議や、民間会社同士の協議に時間がかかったというのです。維新の会が、「大阪府と大阪市が仲が良くないから」という説明はミスリードですね。

「広域行政の一元化」にひそむ危険

今まで見てきた「二重行政」は、ほんの一例です。

実際には、もっと多くの事務が「二重」とされています。

 

大阪市がおこなっている「広域的な事務」は一元化され、それに必要な財源として2000億円を、大阪府がめしあげ、ネコババします。

府に一元化されるという「広域的な事務」一覧はこちら

上からいくつかどのような事務化を見ていきます。

 

  • スクールカウンセラー事業:「いじめや不登校等の子どもの問題行動等の未然防止や早期発見、早期解決のため、地域におけるカウンセリング機能が一層充実するよう、中学校や小学校にスクールカウンセラーの配置及び派遣」です。これって、子どもや保護者にとって、身近なことですよね。
  • 障がい者歯科診療センター:「「障がい者歯科診療センター」の運営委託を行うとともに、障がい児(者)歯科診療を行う医療機関等について情報提供を行うことで、障がい児(者)歯科診療体制の整備を図る。」ものです。障がい児(者)やその家族にとって、身近なことです。
  • 病院:いまの市立病院機構が廃止され、府立病院機構になってしまいます。堺市、豊中市、東大阪市、吹田市、枚方市、吹田市、箕面市、池田市、貝塚市にもある「市立病院」は、住民の身近なことです。
  • 都市計画:まちづくりの基本で、「道路・公園等の都市施設や地域地区・地区計画等の都市計画」を作成します。住民にとって身近です。どの市町村も、自分たちで都市計画を作成します。
  • 道路:谷町筋など4車線以上の道路は、「大阪府」の管理とされます。今までは国道・府道・市道も、大阪市が一括して維持補修してきたので(8つの工営所)、住民はどの道路化に関わらず大阪市に言えばよかった。工営所のエリアと特別区のエリアは異なるけどどう分担するのか。幹線道路の管理を、どうやって大阪府が行うのか未定(大阪府の土木事務所は、大阪市エリアをカバーしていない)というお粗末さ。
  • 水道:水道は生活に欠かせないので、市町村が経営するのが基本です。大阪市の水道は、大都市で一番安い!自前で水道の整備をしてきて、市民にやさしい料金にしてきた。⇒府の所管になれば、料金は高くなる懸念
  • 消防:消防は市町村の基本的な事務です。大阪府に消防署はありませんので、「二重」でも何でもありません。

「広域的な事務」のほとんどは、「身近な住民サービス」なのでは??

<結論>

  • 「二重行政のムダ」は言いがかり
  • 「二重行政」と言われてるのは、市民に必要な身近な行政サービスでした

じゃあ、なんで住民投票までやっているの?

狙いは、「広域行政の一元化」と言われている事務の2000億円です。

これは、大阪府が使い道を決めることになります。

ネコババです。

 

スクールカウンセラーや、病院、水道、道路管理や消防は、どうなってしまうのか。

「二重行政のムダ」とイメージだけ独り歩きして、一元化されるのは、実態は住民に身近なサービスだったのです。

カジノ・夢洲開発に投資されてしまう危険性ありますよね。。大阪府議会、市民の声が届いてますか?もっと悪くなる可能性ありますよね。

だから、

あかん!都構想

 

「二重行政のムダ解消」といって、市民の財布からお金を奪おうとしている人たちがいるのです。

気付いた人は、必ず「反対」を入れましょう。

維新を支持していても、これだけは別。公明党を支持している人も、これだけは別。

みんなで大阪市を守りましょう!