【藤井聡対談・試し読み】くらしが豊かになれば、俗悪性は一掃される

こんにちは。
大石あきこです(*^ ^*)

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以下、藤井聡さんとの対談部分の、試し読み記事です。
(目次と他の試し読み一覧はこちら

くらしが豊かになれば、俗悪性は一掃される

 

大石 大阪市を廃止するなんてとんでもないことで、どうしても阻止したいんです。そうしたとき、「反対」の主張はもちろんするんですけど、それを超えて、大阪市民にオルタナティブ(代替案)を、明るい未来を提案することが重要だと考えています。

維新与党10年間で大阪に住む人々のくらしは決して良くならなかった。根本的に何が間違っていて、どう変えたらいいのか。それを明らかにすることです。

そのとき「反緊縮」はキーワードの一つだと思っています。
「反緊縮」とは、「緊縮財政」のような公共の支出を切り詰めるやり方ではなく、積極的に財政出動して雇用創出や人々のためになる公共事業をやるという考え方です。今、私は立命館大学経済学部教授の松尾匡さんと、反緊縮の取り組みをご一緒していて、この本でも対談してもらいました(第3章)。

藤井 僕も反緊縮に大賛成です。積極的に財政を支出して、デフレが脱却できれば、今いき詰っている様々な問題がすべてうまく回り始めます。

大石 藤井さんこそ、今年2019年(対談時)、反緊縮の経済理論の一つであるMMT(注)の論客や創始者を次々と招聘していて、本当にパワーがすごいですよね。東京でも、たくさんの政治家や聴衆を集めて講演を成功させていらっしゃいますし。

 

(注)MMT/Modern Monetary Theory、現代貨幣理論。

 通貨発行権のある国の財政支出には、絶対的な制限はないとして、国の「財政規律」論を否定する内容が世界的に注目されている。

 

大石 反緊縮は主に国政をテーマとするものですが、地方行政とも密接に関係していると考えています。大阪維新の会の根本にあるのは、「地域経営モデルの実現」のための「緊縮財政」です。予算をどんどん切り詰めて、住民サービスを打ち切ったり、民営に切り替えていくのが基本路線です。いわゆる「小さな政府」ですね。

この「緊縮財政」をやめることこそが、住民のくらしを豊かにするのだと、反緊縮をポジティブにうったえていきたいと思っています。具体的には、保育や介護、防災などくらしに直結する分野に、予算をもっと投入する。その際、地方の自己責任や限られた予算の発想ではなく、「国が地方にお金を出すことこそ重要だ」という全国運動として展開する必要があります。詳しくは第4章をご覧いただければと思います。

藤井 「衣食足りて礼節を知る」という言葉がありますよね。くらしが豊かになれば、心にゆとりが生まれ、俗悪な維新政治を毛嫌いするまっとうな考えが広がっていくはずです。
逆に、毎日の仕事や生活に追われると、世の中のことや政治に目を向ける余裕がなくなります。「貧すれば鈍する」という言葉もありますが、生活に困窮すると、物事をじっくりと考えるのが面倒になり、ついつい刺激的な言葉に興味をひかれて、毒まんじゅうに手を出してしまう。「大阪都構想」に反対するか、賛成するかは、ある意味、礼節の問題だと、僕は思っています。
礼節が一定程度あれば、誰だって「大阪都構想」に賛成するなんてことはほとんどなくなるでしょう。都構想反対の人がすべて礼節がある人だとまでは言いませんが、礼節がないから「大阪都構想」の中身が何かをしっかりと把握しないまま、イメージだけで賛成する、っていう傾向が高まってしまうわけです。「大阪都構想」を大阪が否決できるかどうかは、大阪の礼節の水準がどの程度なのかということと強く結びついています。

大石 住民の多くがお金と時間に余裕がないから、デフレも含めて、いろんな問題が起きていますし、政治的な無関心も助長しているということですよね。それらの状況を良い方向へと逆回転させる反緊縮の経済政策として、重点的にお金を投入する分野の一つが治水対策だと考えますが、土木工学の専門家でもある藤井さんのお考えを聞いてみたいと思います。大阪府の治水対策予算は、橋下さんの前の大田房江知事(在任期間:2000年2月~2008年2月)の頃から削減されています(詳しいデータは第4章)。
続く橋下知事の時代には、どちみち目標は達成できないから、選択と集中で重点地域を決めよう、つまり、治水を当面あきらめる地域が生じてもしかたがない、という計画に変更されました。でも今、気候変動もあって、災害が増えていますので、私は治水対策について今までとは次元を画する措置が必要と考えていますが、いかがでしょうか。

藤井 2019年の10月12日から13日にかけて、台風19号が首都圏と東北地方を襲い、甚大な被害をもたらしました。福島県や宮城県を中心に多くの犠牲者を出し、各地で何日にもわたり停電や断水に見舞われました。11月に入っても停電や断水が続く地域が残っていたほどです。

もし、あの台風が大阪を直撃していたなら、淀川や大和川が決壊して、もっと大きな被害が発生していたおそれがあります。淀川が決壊すれば、13兆円の被害が出ると土木学会で試算されています。高潮はもっと怖くて、大阪湾が満潮時に超大型台風に襲われると、最悪の場合、121兆円の被害が出ると試算されています。イメージがわかないかもしれませんが、高潮というのは東日本大震災のときの津波に匹敵するほどの壊滅的な被害をもたらします。

大石 13兆円や121兆円という金額は、実際には住民の家や会社やインフラがとんでもなく壊れる、人命や生活に大きな被害が出るという意味ですよね。想像もつかないような被害です。未然に防ぐことが早急に求められていると思うのですが、方法はあるでしょうか。

藤井 試算では、5,000億円を投入して対策を講じれば、121兆円の被害のうちの約半分が縮減できます。つまり、専門的な分析を踏まえれば、少なくとも5,000億円を投入すれば、それだけで60兆円ぐらいの被害が防げるということです。

すでに大阪府の河川管理部署では、そのための治水計画がきちんと立てられています。あとは計画どおりに履行するだけなんです。多くの住民の命と大阪の経済を守るためにこそ、予算を削っている場合ではありません。防災や治水のための職員を増やす必要もあります。日本の公務員の数は、先進国のなかでは圧倒的に少ないですから、防災や治水に限らず、基本的に拡充していくべきです。

大石 大阪府の治水計画に関しては、今の時代、とても重要なことですので、ここで説明しきれなかった内容は、第4章で改めて詳しく取り上げます。

重点的にお金を投入すべき分野はほかにもたくさんあって、たとえば、介護や保育です。この分野の予算も全然足りていないし、カジノの後回しにされています。それで私、最近、「所得倍増プロジェクト」を立ち上げて、まずは、介護の事業者や職員などへの呼びかけを始めました。介護保険制度を変える必要があるのですけど、それを現場の人たちとボトムアップで求めていきたいな、と。

介護職の賃金を一律大幅アップさせて、人員を増やし、介護を充実させること。同時に、利用料も減らして、受けたい介護が受けられるように。そうすると、介護士も利用者も、購買力が増えますし、経済の活性化にもつながります。「所得倍増」って、昭和な響きですけど、いいと思いません?

藤井 うーん、どうかなー。「所得倍増」は正論なので大賛成ですが、多くの人の心をとらえるにはインパクトがでてくるかどうか少々心配ですね。リアリティを感じられないというか…もちろん、正論をくり返し主張することは非常に大事です。ただし、無関心な人に振り向いてもらうには、「所得倍増」のフレーズでは弱いと思います。多分そう言われても「そんなの無理に決まってるやん」と思われてしまいがちなのではないかと思います。


大石 まじか…ダメなのか…気に入ってるんですけど ⤵


藤井 ポジティブなことを理解してもらうのは、本当に難しいんですよね。例えば、前回の住民投票の直前に『大阪都構想が日本を破壊する』という本を書いて、そこで「大大阪(だいおおさか)構想」というのを打ち上げました。福祉や社会保障の充実はもちろんのこと、積極的にインフラ投資を行って大阪市民、大阪府民を豊かにするという構想です。我ながら非の打ちどころのない素晴らしいオルタナティブだと思っているのですが、この論点は多くの人にあまり届きませんでした。

オルタナティブを言い続けることは大事です。それがなくて「反対」だけを主張しているようでは、せっかく興味を持ってくれた人も再び離れていきます。ですので、人の心をとらえるインパクトのあるフレーズと、オルタナティブな正論との両方が必要だと思います。

大石 オルタナティブとして反緊縮をアピールする一方で、インパクトのあるフレーズは、どのようなものがいいでしょう?

藤井 「毒まんじゅう」はとても効果的なフレーズだったと思います。一度封印されてしまっていますが、これからも、「大阪都構想」の真実を伝えるにあたって、とても優れたキーワードだと思います。適切に使っていけば一定のパワーが生まれると思います。ただ、大阪市民にインパクトのあるアプローチをするとすれば、この人が適任者じゃないかと思う方がいます。誰だと思いますか?

大石 大石ですか?

藤井 山本太郎です。

大石 それね(笑)。

 

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試し読み記事はここまで。

気になる続きは本で。藤井さんが山本太郎を語ります!
お楽しみに!


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著者 大石あきこ(おおいしあきこ) 1977年大阪市生まれ、大阪育ち。2002年大阪府入庁。就職氷河期、イラク戦争、リーマンショック、3・11大震災と、時代の波に翻弄されながら、ときに抗いながら、16年間働く。2018年10月末退職し、大阪市淀川区で「音くらしデザイン研究所」設立。2019年春の大阪府議会議員選挙に、淀川区から立候補するも落選。小学生の娘と夫の3人暮らし。
著者 大石あきこ(おおいしあきこ) 1977年大阪市生まれ、大阪育ち。2002年大阪府入庁。就職氷河期、イラク戦争、リーマンショック、3・11大震災と、時代の波に翻弄されながら、ときに抗いながら、16年間働く。2018年10月末退職し、大阪市淀川区で「音くらしデザイン研究所」設立。2019年春の大阪府議会議員選挙に、淀川区から立候補するも落選。小学生の娘と夫の3人暮らし。

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