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2023年6月13日【大石あきこ・質問主意書】介護職員処遇改善加算に関する質問主意書と答弁

こんにちは、大石あきこです。

 

質問主意書を知っていますか?国会の会期中、国政全般について、議員が文書で出せる質問です。

政府からは塩回答が多いものの、現時点での政府見解を何らか公文書として残したいときに私は利用しています。

質問主意書の内容は、衆議院HPで公開されていますが、質問と答弁が別ページになっていて読みにくいので、
以下、わかりやすくするために、質問答弁を1対1に並べて、冒頭に「まとめ」を入れました。

【まとめ】
2023年6月13日、大石あきこは質問主意書を出しました。
介護職員の賃上げに使われるべき処遇改善加算が、実際には、最低賃金を満たす穴埋めに使われている例。
また、パートというだけで処遇改善の対象外とする例。
これらについて、不適切ではないか?と問いました。

 

厚労省の回答は、処遇改善加算は最低賃金の穴埋めでない形で使うのが望ましいとするものの、穴埋めは不適切だとは明言せず、また「個別の事案については回答できない」と逃げるものでした。
厚労省が2018年に出した「介護報酬Q&A」がこの逃げを生み出す背景にあり、抜本的な報酬改定や、Q&A改定が必要です。
それで、後日に交渉を行いました。そのやり取りは、2023年8月7日【厚生労働省との意見交換】介護職員処遇改善加算について で公開しています。交渉で、あいまいな点が明確になったので、やり取りを進めていきます。


【衆議院HP原文リンク】 

2023年6月13日、質問主意書を出しました。

衆議院議員大石あきこ君提出介護職員処遇改善加算に関する質問に対する答弁書 (shugiin.go.jp)

2023年6月23日、内閣の答弁書が送付されました(青字)

衆議院議員大石あきこ君提出介護職員処遇改善加算に関する質問に対する答弁書 (shugiin.go.jp)

【以下、原文をもとに質問回答を並べて見やすくしたもの】
(大石あきこ質問主意書)
 二〇二二年十月開始の介護職員等のベースアップ等加算は、二〇二二年二月から九月までの介護職員処遇改善支援補助金による賃上げ効果を継続する目的とされている。同支援補助金は、二〇二一年十一月十九日閣議決定の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」において、「新しい資本主義」を起動し、公的部門における分配機能の強化するものと位置づけられ、「新型コロナウイルス感染症への対応と少子高齢化への対応が重なる最前線において働く介護職員の処遇の改善」を目的とし、月額九千円相当を引き上げるために措置された。

 しかし、この処遇改善のほとんどは、実質的には、最低額の引き上げ分に吸収されており、他産業と比べて介護職員の賃金水準の改善となっているとは言えない。

 一日八時間月二十日勤務の介護職員が、ベースアップ等加算により月九千円の賃上げが行われたケースで、加算条件として三分の二以上は基本給又は決まって毎月支払われる手当の引き上げに充てることとされており、少なくとも月六千円は基本給又は決まって支払われる手当の引き上げとなる。時給換算すると、三十七・五円となる。

 大阪府では、二〇二二年十月一日に、最低賃金額九百九十二円から三十一円引き上げ、千二十三円に引き上げられた。「最低賃金」とは「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障する」(最低賃金法第一条)性格のものであるが、その最低賃金の引き上げに、加算によるベースアップ分が使われることになる。

 「平成三十年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.6)(平成三十年八月六日)」問7で、「加算額が、臨時に支払われる賃金や賞与等として支払われておらず、予定し得る通常の賃金として、毎月労働者に支払われているような場合には、最低賃金額と比較する賃金に含めることとなるが、当該加算の目的等を踏まえ、最低賃金を満たした上で、賃金の引上げを行っていただくことが望ましい。」と示している。

 そこで、以下、大阪府内の事例を踏まえ質問する。

一 「平成三十年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.6)(平成三十年八月六日)」問7のとおり、最低賃金が引き上げられた場合、最低賃金を満たした上で、介護職員処遇改善加算等(介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算)による賃金改善が行われることが望ましい(大阪府の場合は最低賃金千二十三円を満たした上で、この加算による賃金改善を行うことが望ましい)か。

(答弁)一について

平成三十年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.六)」(平成三十年八月六日厚生労働省作成)の問七において、「介護職員処遇改善加算」について、「当該加算の目的等を踏まえ、最低賃金を満たした上で、賃金の引上げを行っていただくことが望ましい」と示しているところであり、このことは、お尋ねの「最低賃金が引き上げられた場合」においても同様である。また、「介護職員等特定処遇改善加算」及び「介護職員等ベースアップ等支援加算」についても同様に考えている。

二 大阪市内のA法人では、パート職員の時給は千七十円だが、もともとの基本給は八百六十円で、二百十円が介護職員処遇改善加算による賃金改善との説明がされている。最低賃金との差額は四十七円であり、加算による賃金改善がされていなければ、最低賃金を下回る状態であるが、この事例は「望ましくない」か。

(答弁)二について

 お尋ねについては、個別の事案に関することであり、お答えを差し控えたい。なお、一般論としては、「平成三十年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.六)」の問七において、「介護職員処遇改善加算」について、「当該加算の目的等を踏まえ、最低賃金を満たした上で、賃金の引上げを行っていただくことが望ましい」と示しているところである。

三 「加算の目的等を踏まえ、最低賃金を満たした上で、賃金の引上げを行っていただくことが望ましい」のであれば、加算による賃金引上げとは別に、最低賃金を満たすための別の支援金など対策が必要ではないか。

(答弁)三について

 介護報酬については、介護職員に支払われた給与に係る費用を含めた介護サービスに要する平均的な費用の額を勘案した上で定めており、介護事業者は、介護報酬を原資として、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)も含めた労働基準関係法令を遵守して労働者に対して賃金を支払うべきものと考えているため、「加算による賃金引上げとは別に、最低賃金を満たすための別の支援金など対策が必要」であるとは考えていない。

四 大阪市内のB法人の二〇二三年度の処遇改善計画書では、二〇二二年の最低賃金の引き上げに対応する独自の賃金改善は行われる予定となっていない。正規職員はベースアップ等支援加算で六千円と、二〇二二年度と同額である。つまり、時給換算すれば、最低賃金の上昇分程度の三十七・五円しか賃金改善がされていない。この賃金改善で、介護職員等ベースアップ等支援加算等の目的(「新型コロナウイルス感染症への対応と少子高齢化への対応が重なる最前線において働く介護職員の処遇の改善」)を実現していると言えるのか。

(答弁)四について

 お尋ねについては、個別の事案に関することであり、お答えを差し控えたい。なお、一般論としては、御指摘の「介護職員等ベースアップ等支援加算」については、常勤換算による介護職員一人当たり月額九千円相当の賃金改善が可能となる額を加算するとともに、それぞれの介護事業者の判断により、当該加算の加算額を介護職員以外の職員の処遇改善に充てることも可能としており、お尋ねの「介護職員等ベースアップ等支援加算等の目的(「新型コロナウイルス感染症への対応と少子高齢化への対応が重なる最前線において働く介護職員の処遇の改善」)」の実現に資するものと考えている。

五 介護従事者の不足が深刻な問題になっているが、介護分野の職員の賃金水準は、全産業平均と比べて低い水準にとどまっている(コロナ前の二〇一九年で約八・五万円、二〇二二年でも約六・八万円低い。出典:賃金構造基本統計調査)。政府として、介護分野の職員の賃金水準を全産業平均以上とすることは必要と考えるか。

(答弁)五について

 お尋ねについては、全世代型社会保障構築会議の下に開催している有識者から構成される公的価格評価検討委員会が令和三年十二月二十一日に取りまとめた「公的価格評価検討委員会中間整理」において、「処遇改善の最終的な目標は、職種毎に仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がり、必要な人材が確保されていることである。その際、他産業との乖離や有効求人倍率などの労働市場における関連指標の状況を参照するほか、各産業における他の職種との比較や対象とする産業内での各職種間の均衡、仕事の内容、労働時間の長短、経験年数や勤続年数なども考慮すべきである」とされているとおりである。

六 短時間・有期雇用労働法第八条は、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間の不合理と認められる待遇の相違を設けることを禁止している。上記四のB法人では、正職員、有期契約職員(フルタイムの非正規職員)、パートタイム職員のうちパートタイム職員のみベースアップ等支援加算による毎月支払われる処遇改善手当が払われていないが、合理的な理由は示されていない。加算の目的を鑑みて、雇用形態にかかわらず、一定のベースアップ等が図られるべきではないか。介護職員処遇改善加算のキャリアパス要件Ⅲの「経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み」については、非常勤を除外できないとされていることとも対比してどうか。

(答弁)六について

 お尋ねについては、個別の事案に関することであり、お答えを差し控えたい。なお、一般論としては、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成五年法律第七十六号)第八条においては、「事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の・・・待遇・・・について、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない」とされており、御指摘の「パートタイム職員のみベースアップ等支援加算による毎月支払われる処遇改善手当が払われていない」ことが、同条の「不合理と認められる相違」に該当するか否かは、個々の事業所における当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該手当の性質及び当該手当を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、個別に判断されるものである。

 

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