11月1日「都構想」否決。私たちの未来は?

みなさんこんにちは。大石あきこです。

2020年11月1日、「大阪市廃止・特別区設置」の住民投票は大激戦のうえ否決されました。

 

賛成 675,829票(49.4%)

反対 692,996票(50.6%)

反対が賛成を17,167票上回り、大阪市存続が決まりました。

 

「反対」をしていた私は、開票速報をテレビで見ていて、途中まで賛成が上回っており、最後に反対票がドンと積み上げられて、心臓が止まるかと思いました(平野区…びっくりしたわー)。


考えてもみたら、都構想を推進する側には、圧倒的物量がありますよね。
与党という社会的地位、議員(運動員)の数、お金、マスコミ…笑えない吉本…
「反対」する側は、ほぼ手弁当。
はねのけた大阪市民の力は、本当に奇跡としか言いようがありません。


まずは、「大阪市」を存続させることができて、ホッとしています。

全てのみなさまに、どうもありがとうございました。

これからの新しい大阪のスタートにしましょう。
「賛成」された方が期待した内容を受け止めた「新しい大阪」でなければなりません。


いっぽう、コロナで大変なときに、市民を分断する住民投票をした松井市長、吉村知事の責任を追及する必要があります。
特に、コロナに関連する倒産や失業があいついでいる現実。
保健所の職員数が、コロナ前の定数にすら達していないという大問題。
「都構想」で多大な役所のリソースを使った責任をどうとるのか、明らかにさせることは、再発防止と問題解決のために絶対に必要です。
こういった今起きている問題について、
今後、発信していきます。

 

それから…住民投票で市民同士が分断されていること、その後のマスコミ報道がそれを煽っていることも、やめさせなきゃいけませんよね。
住民投票の結果に対して、さっそくテレビでは橋下徹さんやら、大阪市廃止を推進してきた面々ばかりが出て来て、維新をヨイショする発言。
そして、吉本の芸人が「高齢者がー」と市民の対立をあおる発信をしています。
なにやってんだ??
これ危険ですよ。
事実とも異なる(後述します)、主観での「高齢者がーー」の発信が、なんらかの事件に発展したら責任とれるんですか?

2度目の住民投票という中で、重い重い判断を大阪市民は下したんです。市民を責めないでください。

以下、この住民投票はなんだったのか。市民のみなさんがどういう選択をしたのか、渦中にいた私なりの報告です。

(おもしろエピソードなども含めた詳細は、後日、ボランティアの皆さんに集まってもらって、改めて振り返りを作成したいと思います。) 


結論:維新政治が、もはや「都構想」の明るい未来を描けず、中身のない宣伝の物量で押し通そうとしたが、市民がたちあがってそれを阻止した。「反対」の政党もそれに背中を押された。そんな住民投票だった。


チャプター1
維新政治による「賛成」推進の圧倒的優位からはじまった住民投票決戦


維新の側は、圧倒的な議席数があり、政党交付金や政治資金パーティで資金を集めています。投じたお金も、突出していました。

「維新が投じた広報宣伝費は約4億円に上り、反対派の自民党約5000万円、共産党約6000万円と比べて突出していたが、支持は伸び悩んだ」(11/1 読売新聞)

そしてなにより「与党」であることの強みですよね。
大阪都構想関連に公金100億円超 府市13年以降に 人件費や選挙など」(11/1毎日新聞)
※2回の住民投票の費用や、広報費用、副首都推進局の人件費、特別顧問への謝礼など

これって、同じ額だったとしても、行政機関や為政者というオーソライズされた人格が実行するときと、それ以外の場合では、信頼度による宣伝効果は全然違うわけですよね。
だって、まさかその信頼を裏切ってファクトでもないものを垂れ流すなんて、にわかに信じられないでしょう。


 ちなみに、大石あきこ事務所のかかった経費はこれから精算ですが、だいたい100万円。すべて個人の寄付でまかなっています。
こちらは必死で寄付してくれたものだったり、手弁当で補ったりして捻出したものだから100万円近く集まったのは奇跡ですが、100万円と100億円て。笑
ウケるしかない。1万倍違うんだから。
 

金額だけではなく、政局の構図もすさまじいものがあります。 

前回5年前(2015年)の住民投票では、否決しながら、その後は、維新に有意な状況が続きました。

2019年の統一地方選挙(+知事・市長のW選挙)でも、維新が議席を増やしました。
それにびびった公明党幹部が、公約の「反対」を180度切り替え、「賛成」に転向。

5年前にあった民主党は大阪市内の議席はなくなりました。
そして、住民投票をやることが決まった今年9月上旬では、「賛成」が圧倒的に優位で、約14ポイントの差がありました。

あと、使える金額だけではなく、与党である地位を利用して時期まで決められるわけですから、すごいパワーです。
橋下さんが住民投票が終わったあとに、いつものように、事件現場にいてた野次馬みたいにしゃしゃり出て来て、
「公明党が衆議院選挙で対抗馬立ててほしくないから都構想賛成するというので、衆院選より前の時期に(この時期に)しなきゃ意味がなかった」などネタばらししていましたね。

そんな党利党略のために、コロナの時期に住民投票するなよ!
って話ですけど、維新の方々からしたら、コロナ禍のなかで、公明の支持と「吉村人気」があるから勝てると踏んだんでしょうね。
なめてませんか?

もう絶体絶命ですよ。
奇跡が起きないと勝てない状況。その奇跡が起きた。

下写真は、ABC放送×JX調査。9月の14ポイント差から最後、逆転した。

 

チャプター2

市民はどう対抗していたか。
上述のとおり、常識で考えたら賛成多数になる。でもこんな大阪市廃止プランあり得ないから、絶対止めるしかないから、とにかく前を向いて走った人たちがたくさんいる。私もその1人です。
それで全員の力で奇跡の競り勝ち。

圧倒的な宣伝物量をもつ維新に、市民が勝った。その力は、市民の危機感、熱量をもった行動でした。
平松元市長らが立ち上げた
大阪・市民交流会のチラシのポスティング、デザイナーさんが作った1人スタンディング用ボード、それらを利用した各自のお手製グッズ。
反対政党のチラシ配布、個人作成のチラシ、街頭宣伝など。
寝食削って立ちあがった市民たちがいました。全部、費用は持ち出しと寄付。
すごいことです。

大石事務所でも、街宣カーを3台用意、街宣カーにチラシボランティア送迎。他にも色々と、それぞれがやれることをやり抜きました。

以下のようなグッズ(ボード、ピンバッジなどなど)を街中で見かけましたし、私も毎日活用させてもらいました。



もちろん宣伝だけではないですよ。
選管がまともな表示にするということがあったり、マスコミがまともな報道を流すということがあったり。

結果として、吉村知事に、「市民の思いのほうが強かった」「都構想は間違いだった」と言わせたように(以下産経ツイート)、市民の大阪市存続の思いが強く、都構想は否決されました。



維新が2度目の敗北となりました。5年かけて、具体的なメリットを示すことはできなかったのだから、完全敗北です。

大きな特徴としては、前回賛成を入れた人たちが離れたこと。これは都構想運動の失敗です。
背景には何があったでしょうか。

チャプター3

ファクトチェックの重要性、「大阪の成長?これウソでっせ!」


私は公務員をやめる前から、大阪府政の隠された問題点を伝えなければと、議会監視などをつうじてファクトチェック市民活動をしていました。例えば、公衆衛生研究所をリストラ・民営化してはいけないことなど。

今回も、マスコミや大阪市役所が、「大阪市廃止」と関係ない「大阪の成長」「二重行政の解消」を宣伝しまくって、多忙な市民に「そうなのかな」と思わせていく誘導がありました。
それに対して、ツイッターを中心に、大阪市民のかたで強力な調査能力と執念で、デマをあばき、また大阪市が衰退している現実や、都構想の危険性を発信されていました。

私もブログで以下のファクトチェック記事を出し、7万ビューを超える関心がひろがって、Yahooニュースや現代メディアにも掲載してもらいました。

都構想・最大のだまし絵「大阪の成長」に要注意
https://www.oishiakiko.net/2020-10-13-tokoso-seicho-uso/

都構想 最大の大義「二重行政」が控えめに言って「言いがかり」だった件

https://www.oishiakiko.net/2020-10-19-tokoso-2jugyosei-uso/

「大阪市4分割コスト218億円増はデマ」はデマ ー特別区財政は火の車に

 

https://www.oishiakiko.net/2020-10-28-cost218up-true/



もともと都構想や維新政治は、フィクションのテレビドラマのような「わくわく感」を意識したものですが、
このようなファクトチェックで、良質の種明かしが相次ぎ、ドラマとしては冷めたものになってしまったのは間違いないでしょうね。

「YES!都構想♪」ってなんか役所の啓発みたいな街宣カーの音楽が、まるで、
「大阪の成長はウソやったけど、大阪市廃止してもやっぱり成長せえへんけど、大阪市廃止してええかな?投票所に「賛成」入れに来てくれる?」というアナウンスに聞こえた感はあるでしょうね。

あと、山本太郎(れいわ新選組代表)の街宣も、すごく影響があったと市民の方々、ジャーナリストの方々にも評価をいただきました。以下のグラフも街宣でよく使われて、SNSや市民団体の講演でも引用されていたので、ご覧になったかたも多いのではないでしょうか。
(ちなみに私の拙著の資料です(笑) 今からでも、いや、むしろ今から、読みがいありますよ。)


「Yes! 都構想」「わくわくする未来」というキャッチフレーズが届かなかった

街角での市民の宣伝や、ファクトチェック等で明らかにされた「大阪の成長」と都構想が関係ない、という現実。

それによって「Yes! 都構想」「わくわくする未来」というイメージだけで人びとは動かなかったと言えます。

 

(写真は、アメリカ村に掲示された広告(※後日、違法だったので撤去)と、大阪維新ツイッターから)

この結果は、国政への影響も大です。

20年にわたる「行政のムダ解消」「改革」という新自由主義運動の終わりがはじまるということ。

維新を「ジョーカー」として使ってきた菅政権のカードもつぶれました。公明党も大打撃です。

代わりとなる政治勢力は、・・・まあ、私としては、反緊縮経済政策の「れいわ新選組」でしょう!

 

67万人の「賛成」に投じた市民のみなさんには、この記事を読んで気を悪くされるかもしれません。
でも、大阪を良くしたいという気持ちは私も同じですので、いつか同じだったんだなと認めていただけたらなと思います。
10年間の「都構想」論争は終わりました。
もはや古くなった維新政治の大阪を、これから大きく変えられるように、私も尽力していきます。

大阪市も大阪府も、もっと市民のために動く役所に変えられます。大阪のまちは、可能性に満ちています。

 

維新の議員の中で、「三度目の挑戦」を否決の翌日に言い出したり(市民の労力をなんやと思てるんや?)、
今の松井市政で停滞していることを「都構想になれば出来たのに」など言いがかりをつけたり。
都構想が看板政策だからすがりたい気持ちはわからなくもないですが、大阪市民のためにならない言動なのは明らか。もう「都構想」を引きずらないでください。大阪を停滞させ、足を引っ張ることになります。

5年かけて、前回よりも賛成票は減った。もう終わりですよね。

参考:2015年と比較して(出口調査のデータから)

① 年代別の比較‐「高齢者が反対し改革を止めた」は誤り

 

さっそくテレビなど都構想推進派からは、反対多数となった結果について、「若い層は賛成が多いのに投票に行かなかったから」「高齢者が反対し改革を止めた」などの論調が目立ちます。
こういう対立をあおるのは本当にやめてほしい。高齢者が大阪市の未来をまもったのなら、ありがたいことでしょう。投票所でスタンディングしてても、多くの高齢者が必死になって反対票を投じていました。

そのうえで、若い層が賛成が多いというのも、間違いです。

写真は関西テレビの報道ですが、2015年と時と出口調査を比較すると、30代、40代の反対が増えていることが今回の最大のポイントです。20代は反対が多数です。逆に、唯一賛成が増えた世代は70代以上でした。

 

 

② 支持政党別の比較 ‐ 無党派層の反対が急増が大きな要因(れいわ新選組の登場)

 2015年と比べても、政党支持率は大きく変わっていません。大阪市の特徴は、民主系が衰退し、維新が第一勢力であると言えます。

支持政党別の賛成・反対の内訳をみると、一番大きな変動は公明党です。
公明が「賛成」に転向したことから、公明支持者においても大きく賛成が増えました(それでも約半数は反対のままだったのも衝撃的ですが)。
こういった「賛成」有利の状況の中で、全体で反対多数となった成分は、以下の3点です。

●維新支持だが、大阪市廃止には「反対」。という層が増える(改革は支持だけど、大阪市廃止は違う)

●自民は、自民支持層の「反対」割合を前回より固めた

 

●無党派(政党支持なし)の「反対」割合の増加(11%も増えた)

・支持政党なし(れいわ隠れ支持を含む)の反対は、9/29時点→10/31で40.5%→54%と約15ポイント増えました(ABC放送×JX調査)。

「無党派」の反対の増加に、れいわ新選組の影響はどれほどかデータはありませんが、大きな要因となっていると私は感じております。
街頭でも、ランダムに話しかけに行って、そのうちの「反対」という方で、40代以下のかたは山本太郎のYouTubeを観たかたや、その街宣の内容を受けた「反対」の人は多かったです。

「手前みそか!」と思う人がいるかもだけど、確かに、私はれいわ新選組だから手前みそにもあたるのだけど、山本太郎にこういう方向での影響力があると思うから、れいわ新選組に参加しているので、やはり、単なる手前みそではありません。笑


② 地域別の比較 ‐ 南北対立は間違い。反対票は北部で増えた。

 

基本的には前回と変わず、北区、西区、福島区、淀川区など、財政的に豊かとイメージされる地域での賛成が多いのですが、その地域でも反対が増えたのが特徴です。

次の表は、各区で、2015年と比べて反対票が増えた割合が大きい順に並べたものです。

港区の反対の急増は「淀川と関係ないのになぜ淀川区」という区割りの問題大きいでしょう。

 

大石活動エリアの第5区では、此花、東淀川、淀川の順に反対が増えました。現職の公明党国会議員を選出しているエリアで、賛成票はその分増えたはずですが、それ以上に反対票が増えたことになります。

反対派の顔役になった自民党市議団・北野幹事長の地元でもありました。


私たちの活動も、小なりとも、力になったと思うとうれしいです。
大石あきこ事務所の地域に根をはった活動は始まったばかりなので、すぐにパーセンテージに現れてくるとは思わないほうがいいですし、これから構図が変わっていくんだな(変えていこう)と思っています。

 

この2か月間、駅前や街角で訴えて、たくさんの方々と賛成・反対に関わらず対話することができました。これが一番の財産です。

大阪の政治のオーナーは、市民です。維新に代わる政治を作りましょう。大石あきこに引き続きのご支援よろしくお願いします!