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出来事2017 大阪府で起きた「維新一般質問の売るネタ」準備事件 後編

先日のブログ記事で、
2017年9月14日に、大阪府 環境農林水産部 の部長指示メールがあり、維新府議の一般質問QAの事前準備が組織ぐるみで行われたことを書きました。


今回は、そのとき、私が部(環境農林水産部)に意見したけどスルーだったことや、のちに新聞社にすっぱ抜かれたときの府庁内部の納得のいかない対応のことなどを時系列で書きます。

 

●9月21日 

私は、自分の所属長(室長)に、「問題となった部長指示メール」の指示を撤回してもらえるよう意見のメールをしました(以下の《メール1》)。

 

≪大石→室長メール1≫
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室長
先日、部長から、維新府議が堺市長選の応援に動員されていることから、9月府議会の質問を考えておらず、後から質疑のネタを聞いてくるので、事前に、維新の議員個別の質疑メモを各課で作成するように、との指示があったと伺っています。
これは、府の政権与党の議員にだけ質疑をあらかじめ用意する、という指示と見受けられます。
これは、政治的中立という観点から、不公正で不適切な業務の指示ではありませんか?
公正な議会運営をさまたげ、府民を裏切るものではないでしょうか。
また、このような業務命令によって、何人日の業務が発生しますでしょうか?
室長はどうお考えでしょうか?きっとおかしな業務であると考えてくださるとは思います。
それで、部長には一刻も早く業務命令を撤回してほしく、室長のほうから、部長に進言していただけませんか?
(以下略)
===

 

府庁でこういうメールを、業務系列でもない職員が幹部に出すというのは大変勇気が要りました。
でも府民への裏切りはガマンならなかったので私はメールを出しました。


●9月22日 

「部長にその旨を伝えた」と、室長から私に報告がありました。

しかし、その後も、部(環境農林水産部)からは私に何のレスポンスも無しでした。

 

●同日の9月22日 

部は、担当者あてに、「議員からの質問には事前に備えるように」という趣旨のメールを出しました。

「問題となった部長指示メール」の訂正ではなく、単なるごまかしでした。
私は、たまたまそれを知りましたが、私にはそのメールは送られず、部からの説明もありませんでした。

 

●9月27日 

私は、室長にこのような対応は残念であったという感想を送りました(以下の《メール2》)。

≪大石→室長メール2≫

===
室長
例の、部長から指示があった件につきまして、先週金曜に、その指示の表現の修正かもしれないようなメールが、担当間の一部に送付があったようですね。
そのメールについては、私にとっては「結局のところ、結論いっしょですよね。」という感想でした。
また、当初のメールも訂正の扱いではなさそうですし、意見した私へのご説明もなかったので、特に意見を受けても改めることはないし、意見した本人に説明する責任もない、という部のご意向とは理解しました。
勇気を出して組織のために意見したつもりでしたが、これでは風通しも良くならず、面従腹背の職員を増やすことばかりされているなと残念に思います。
(以下略)
===

 

特に組織からの対応はなく、それ以上のことは私にはできませんでした。

 

そして約3か月後・・・


●12月5日 

読売新聞がこの件を「忖度」問題として報道(以下は記事のイメージ写真)。

読売報道のあと、NHKほか、主要メディアも後追いで報道しました。
部の総務課にも取材は殺到していたようです。

 

私も意見をしたのを忘れていたころだったので、急転直下で、おどろきました。

 

読売新聞の記事には、『部内から「維新に便宜を図ることになる」と批判が上がり、議会担当職員は同22日(中略)文面を書き換え、メールを再送した』とあります。

 

これって時系列で言って、「部内から批判」上げたのって、私のことですよね。

当時、部は、私に対して一言もなかった上に、22日に送信した単なるごまかしメールを、あたかも訂正メールのように、新聞社には言い訳したのです。なんという姑息な。

 

それだけでなく、組織(幹部)の姑息な姿勢というのは一貫していて、騒ぎの渦中、各フロアの状況がどうなっているのか、人づてで情報を入手していくと、いくつかのフロアでは反省するどころか、どうやって今までどおりの自分たちを続けるか、という方向の中間管理職の忖度意見がちらほらと出ているようでした。


それがガマンならなくて、私は職場でビラを配布することにしました。

 

●12月9日
私は、以下の内容のビラを、環境農林水産部で配布しました。

≪ビラの内容≫
===

■「大阪府職員 維新に忖度」の報道
12月5日(火)朝、読売新聞が、環農部で組織的におこなわれた維新府議の一般質問QAの事前準備について「忖度」と報道。

その後、ほぼ全メディアが取り上げ、12月6日、大阪府知事は竹柴部長と部の担当職員を口頭注意。
おそらくほぼ全職員がこのニュースを知っているだろうに、12月8日(金)の現在において、いまだに末端の職員にはこの記事の情報共有も、組織としての見解もなにも下りて来ません。異常です。


そして、一部の所属では「あれは何も問題のないことだった」「今後は、メール送信時には指示の発信者のメール文は掲載せず抹消のうえ、自分のグループ名と責任において照会をするように」などと指示をしている中間管理職がいるということや、メールのかわりにチャットシステムのLyncを使うという代案(まさか、情報公開請求されずに同じ指示系列が保てるという意味か?)など漏れ聞こえています。


議員と理事者が八百長をやるという、府庁の悪しき慣行について、府民の大いなる批判の目にさらされている中で、その腐敗体質は何ら変えないどころか、一部の職員だけを知事が見せしめ的に口頭注意をし、より府民の目につかないように、だの、より部長や幹部が守られるようにだの、姑息な運営をしきなおそうとは、一体どこまで根性が腐っているのか!


知事と幹部のみなさん、心を入れ替えてください(入れ替えれないなら降格なり転職なりしてください)。

普段えらそうにコンプライアンスと言って職員がたまにするサボりや微罪に処分の脅しをしていますが、このような腐敗体質の大罪と、どちらが府民や社会にとって有害なのか、考えてください。


少なくない職員が呆れている空気、幹部のみなさんには伝わりませんか?
幹部に関わらず、この問題をみんなに真剣に考えてほしいと思い、ビラを配布することにしました。

 

■入庁したときの気持ち忘れていませんか?
別の部署で聞いた話ですが、このニュースを知った新採職員が「え!そんな(八百長)業務がおこなわれてたんですか!」とびっくりしたと聞きました。

そりゃそうですよね。

私たち、入庁したとき、役所がこんなに議員に忖度してたなんて、と驚きませんでしたか?

施策アピールと称して議員にネタを考えてあげるとか、議員からの苦情だけはやたらと上司も入って対応するとか。


純粋におかしいと思ったその気持ちは、絶対忘れてはいけないのだと思います。

それが府民の気持ちなのですから。なのに、みんな(私も含めて)、働く中で変なぬるま湯に慣れ、組織の常識を自然法則のごとく捉えさせられ、自分の感覚が常識、と思ってませんか。この機にふりかえってほしいのです。


府民のための仕事とは何か、自分の人生の主要な時間を注いでいるその目の前の業務は、どのくらい人々の役に立っているか、今一度、考えてみませんか。


こんなおかしな指示を大真面目に処理してしまった人、組織の非常識に染まってしまっていたなと気付いてほしいのです。このままの状態で私たちの府庁人生が終わっていくなら、その人生も、税金ももったいないです。


誰しも自分のために人生を生きますが、それと両立して、人々に役に立って生きられるということは、何事にも変えがたいと思います。

住民の権利、弱い立場の人の権利を尊重するために公務員はあると、憲法に規定されている。

そういう仕事を私たちはしていますか?

人生は一回きりです。

そういう仕事の割合を増やしていけるように、楽しく人間らしく働けるように、互いに努力していきましょう。

 

■末端職員のしっぽ切りは絶対に許せない
竹柴部長の「堺市長選を控え、維新議員は選挙の応援活動を行っており 議会の質問について何も考えていないと思われる。そのため、選挙終了後(25日以降)に何か項目ないかと 問われるため、事前にネタを集めておけ」という指示が事実でないというのなら、いったい何と言ってどう「解釈を間違え」たのか。

真実は全く明らかにされていません。
松井知事も、「維新に所属する僕としてもありがた迷惑」などと言い(知事としての謝罪が先やろ)、あげく「維新の議員が質問を書いてもらったことは一度もない」などと大ウソをついています。


そして松井知事は、「指示を受け取った職員の解釈の間違い」として、部担当職員を注意処分とした。どんだけブラックや!

絶対許せない。

 

部長指示を一緒に聞いた上司もこのメールを了承したはずだし、部長指示メールは各課の課長指示のもと組織として貫徹された。

与党である維新に特別に図って、組織的な便宜供与が行われたのは事実。

まず真相を明らかにするべき。しっぽ切りは真相の隠蔽です。


この件は、「あのメールは(担当職員が)まずかった」なんて話ではありません。

維新首長を恐れる幹部と維新との蜜月が、ついには組織化されてしまったということ。

そんな組織で上司の指示に従い、問題にされたら担当を処分とは、不当だし誇りをもって働けません。
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●その後、起きたこと
ビラを配布した後か前か忘れましたが、幹部会議で、「大石が(読売に)やった」というセリフが出たそうです。

 

違うし。
別にどっちでもいいけど。いいかげん、ちゃんと反省しろ。

反省せずに「誰が犯人か」いうてる場合か?

 

組織に抵抗するのは私だけ、だと思っているんでしょうね。ばかげてる。

 

そして、そんな反省のない組織なので、ビラ配布後も、部から末端の職員への説明はないままでした。
(意味のわからない抽象的な訓示めいたものや、「内部情報の持ち出しには注意」といった、逆に圧力のような資料が全員配布にされたりはありましたが。)

 

私以外の職員も、こんな状況はおかしいと、色んな職員に意見を聞き取ったりして動いてくれた職員もいます。
でも、そういう動きをすると逆に「何を探ってるん?」みたいになりますね。

リスクは承知で、職場を良くしたい、という純粋な思いで動いてくれているのに。

 

また、トラブルが起きたとき、その同心円に近い職員ほど、「部長は悪くなかった」みたいに本気で思いこむ傾向も見られました。

同心円から離れるほど、職員の多くは「あんな指示は、ありえない」って言っていました。

それこそ、副知事レベルの役職の人でもね。


その構図は、府庁だけではないと思います。

電通で過労死された若い方のことを、同僚が悪く言う、ということもありました。

 

やはり働く現場には、厳然と「支配」というのがある。

 

この「支配」の問題を解決しないと、組織の不正を正すことや、過労死をなくすことや、現場の意見を採用していくことは困難だと私は思います。

 

府庁だけではなく、役所であっても民間企業であっても。


本当に人々のために仕事をする人が、しっかりと徒党を組んで、上層による不正やつまらない組織の論理には毅然と対応して、組織を正常化していいったときに、良い仕事ができると思います。

 

人のためになる良い仕事をして、おいしいご飯とお酒を飲んで、楽しく豊かに過ごして、社会が回っていく。
日本の職場を、早くそんな職場にしませんか。

 

私も、いったん府職員としては府庁を去りましたが、そんないきいきとした府庁になるのをめざしています。