2025年5月14日【文部科学委員会】給特法に関して、最後の質問と修正案に対する反対討論を行いました。
※赤字はブログ掲載にあたっての補足です。
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委員長 次に、大石あきこ君。
大石 れいわ新選組、大石あきこです。
給特法の改正の修正案について、給特法というのは、公立学校の先生のお給料に関する法律です。
これまでたくさんの時間をかけて質疑を行ってまいりまして、本日は、その修正案について審議が行われています。
まず、この修正案に関してなんですけれども、分かりにくいという方が外部にもいらっしゃるので、どういうものかという整理ですが、まず、この今回の修正案というのは、附則という、法律には本則と附則があって、本則は一切変えずに附則をつけ加えるというものです。
附則というのは法律の一部ですけれども、本則に付随して必要になる事項を補うためにつけ加えられる規定というものが附則です。
今回の法律、元々の給特法の改正案、これは自公政権が出したものですけれども、それには変えず、それは前提として、附則というものを足し込むんだというのが今回の修正案となります。
これでは、問題が全く解決しないんですね。元々、給特法の改正の背景として、現在のすさまじい学校の、教育現場の人手不足と過労死問題、これが全く解決しないのが、政府の出してきた原案、修正案であります。
現在の学校の状況でいいますと、質疑で出されましたけれども、過労死の認定件数、小学校の先生でいえば、過去9年で38件、
これは氷山の一角ですから、このような学校現場の地獄を解決しなければならない、それが、政府そして国会の使命なのです。
しかしながら、政府の改正案、修正案では、それが全く解決しないどころか、教職調整額、4%から10%に引き上げる、
これは1%当たりたったの月3,000円ですので、10%になっても、全くこの過労死レベルの残業問題は解決しない。
そして、労基法に基づいて、労基法で労働時間、業務であるにもかかわらず、それは業務だから労働時間であるにもかかわらず、
労働時間としてカウントせずに、ただ働きさせられているという、この不法な問題、違法問題を解決しない、
そのようなことを質疑で申し上げてまいりました。
今回の修正案というのが、どの会派が出してきたかというと、立憲と維新が提出者であったと報道されていますが、
現在、結局、共同提出者として、自民党、公明党、立憲、維新、国民民主党と。
つまり、この文科委員会で所属している政党の、れいわ、私の所属するれいわ以外、全ての政党がこの修正案に賛成しているという構図の中で、
本日、給特法の改正案と修正案が数の力で採決されようとしている、そういう状況です。
御質問したいのは、共同提出者のどなたでもいいんですけれども、一旦立憲の委員の方に御質問します。

パネルなんですけれども、お配りしました資料1、今回修正案で出されている附則の中で、時間外在校等時間について記述があります。
給特法の改正案の修正案に関して、附則の中で、政府は、令和11年度までに1か月の時間外在校等時間を平均30時間程度に削減することを目標とするということが書かれています。これは、今、令和7年ですから、向こう5年間、時間外在校等時間を平均で30時間程度になることを認めることを書き込むものでありますので、私はこれはすごく問題だと感じているんですね。
お伺いしますけれども、新設項の中で、この修正案自体も、このように書いていますね、時間外在校等時間の定義としては、1か月の学校の教育活動に関する業務を行っている時間から代休日とか正規の勤務時間を引くものを時間外在校等時間だと定義しますよというふうに書かれています。
そこでお伺いしますが、時間外在校等時間、このような定義された時間外在校等時間というのは、この定義のとおり、教育活動に関する業務ですから、この配付資料、これは何度も見せました、厚労省のガイドラインによる厚労省32条の労働時間の定義ですが、その労基法32条で言うところの労働時間にこの修正案で記載されているところの時間外在校等時間、つまり教育活動に関する業務、これは労働時間に該当するのではないですか。お答えください。
津村(立憲)委員 御通告と少し内容が違うように思うんですけれども、私の理解の範囲でお答えさせていただきます。
時間外在校等時間のうち、時間外勤務命令に基づき、いわゆる超勤4項目に該当する業務を行う時間は、労働基準法上の労働時間に該当するものと認識しております。公立の義務教育諸学校等の教育職員に関する給与その他の勤務条件についての特別法である給特法でございますが、その仕組みの下では、教育職員がいわゆる超勤4項目以外の業務を所定の勤務時間外に行った時間は時間外勤務命令に基づくものではないと整理され、管理職による指揮命令下に置かれているとは言えず、労働基準法上の労働時間には当たらない、こういう認識でございます。
大石 つまりは、今お答えになった立憲の委員は、今のお答えは、あべ文科大臣と一緒のお答えなんですよね。すなわち、今、現状、公立学校の先生は、例えば、土日の部活動、公式戦、これは業務ですし公務ですと文科省も認めていますけれども、これは労基法上の労働時間には当てはまらない、当てはまる可能性はゼロである、そうおっしゃっているんですね。確認いたします。
津村(立憲)委員 当てはまる可能性はゼロであるという表現を私は取らなかったと思いますが、現在ある実定法の解釈について、与党と野党でそんなに見解が違うことの方がおかしいと思います。法律の理解を述べたまででございます。
大石 この質疑の中でも、立憲の委員御自身が、これは法律違反でないか、訴訟リスクもあるのではないかというふうにおっしゃっていましたけれども、それらは、整理した結果、労基法違反には当たらないということでよろしいですか。
津村(立憲)委員 労基法違反になるようなケースがあってはならないというのはそのとおりだと思いますし、個別の事案について、これはどうかという議論は、是非是非建設的に交わされればいいと思いますが、御質問がちょっと抽象的過ぎて、どうお答えしたらいいのか戸惑っております。
大石 超具体的に聞いております。
大阪府においては、土日の部活動の公式戦は公務とみなされております。そのような公務とみなされているもの、文科省も公務とみなしているも
のについては、労基法32条が適用されている公立学校の先生において、これは労基法で定める労働時間ではないですかというふうに申し上げているんです。でも、文科省が、それはいわゆる労基法上の労働時間ではないと言っているので、それは労基法違反の答えではないかということをずっと言っていたんですよ。
だから、超具体的に聞いております。もう1回聞きますね。
大阪府において、土日の部活動、公式戦、これは公務とされているんですけれども、公務ではないんですか。
(発言する者あり)
いや、済みません、やめていただけます、立憲の方、こうやってやじを入れるのは。
何か都合の悪いことでもあるんですか。
労基法違反ではないですか、労基法の労働時間ではないですかと聞いているんです。
津村(立憲)委員 私の不勉強でございますが、通告外の大阪府の事例について、私はよく承知しておりません。
申し訳ございません。
大石 先ほど、抽象的に言われても答えられないとおっしゃったので具体的に申し上げたんですけれども、
どっちみち答えられないというお答えだったかと思います。
立憲の津村委員がおっしゃったんですよね、今回の質疑の中で。
私たち政治家は、理想を見詰めつつ、現実に一歩ずつ近づくことというふうにおっしゃったんですよ。
それが、ここにいる多くの皆さんの認識なんじゃないかなと思うんですよ。
どこがですか。
現実に一歩ずつ近づく。現実に一歩ずつ近づくって、現実を知っているんですか。
過労死に……
(発言する者あり)
何をやじっているんですか。
過労死認定の件数を考えても、今、教育現場が地獄でしょう。なのに、私の言っていることというのは理想ですか。
私は、せめて労基法ぐらい守ってくださいということをずっと申し上げているんですけれども、
これは理想で、5年かけても達成されないものなんですか。
達成されなかったら、教育現場はどうなりますか。私は、そのことをずっと申し上げているんです。
学校の先生の味方だと前回も皆さんがおっしゃっていたじゃないですか。
味方ですか。
私以外の皆さんが、この修正案を合意しているんですよね。
でも、この修正案は、時間外在校等時間という労基法違反の、先生をただ働きにしている部分を固定化して、
だから、先生方が一番困っていて、過労死につながっていて、子供たちの目の前で倒れて亡くなるということ、
これを続けるということを皆さんがやろうとしているんですよ。
委員長 大石君、質問時間が過ぎております。
大石 そこがダメだと言っている私が、これは理想主義者ですか。せめて労基法を守ってください。
委員長 まとめてください。
大石 修正案はそうなっていない、固定化するものです。
時間が来たので終わります。
※ここから最後の討論
委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。
討論の申出がありますので、これを許します。大石あきこ君。
大石 れいわ新選組、大石あきこです。
先ほども申し上げましたが、今回の給特法の改正案そして修正案、これは今、れいわ以外の全ての会派が賛成するという状況です。
すなわち、自民党、公明党、立憲民主党、維新、国民民主党が賛成し、れいわのみが反対するというような異常な状況の中で行われるということで、これは私は反対しなければならない。
反対の討論を行います。
先ほども申し上げましたけれども、先ほどの質疑で立憲民主党の委員が、「私たち政治家は理想を見詰めつつ、現実に一歩近づくことなんだ」とおっしゃいました。これは、余りにも教育現場、これは教育現場だけではないかもしれません、国会の外の現場が地獄になっているということへの、そのギャップを表すものだと考えます。少なくとも、この給特法、そしてほかの法案においても、れいわ新選組は理想を掲げているわけではなくて、国会の外の窮状、今すぐ何とかしなければならない問題を、せめてこうするべきだと言っているだけです。
給特法に関しては、何度も申し上げましたけれども、理想ではなくて、学校の先生をこれ以上殺さないために必要なものとして申し上げてきました、
教員予算を国費で増やす。
学校の先生を増やさなければいけません。これは財源にして、れいわが見積もれば、年間2兆から3兆円になります。これは、現在、不払い残業、公立学校の先生の不払い残業が年間1兆円ということが中央教育審議会の特別部会長も2018年に言っていましたので、恐らくその一部、1兆円というのは本来必要な額の一部を成すものであろうと考えます。
こういった教員予算を増やすということなしに出口はない、地獄の出口はないと考えております。
そして、速やかに、先生の数を増やすまでの間、現実に行われている時間外手当を払う、労基法違反の解消ですね、これを行わなければなりません。
このことは、立憲民主党が、修正案を出すと4月初旬にはおっしゃっていたので、私も修正案に乗りたいんだ、だから、まずこの不払い残業の解消、労基法違反を解消することが絶対であり、そういう修正案にしてほしい、一緒に考えたいと申し上げましたが、全く違うものになって大変残念です。
そして、給特法の改正ですが、本来であれば廃止というのも一案あるでしょうけれども、やはり、国立大学附属学校で既に適用されている給与規則等で、教職調整額の差額部分の残業部分、これを支払えるような体系になっていますので、そのような法改正をすれば済んだものを、このような政府の労基法違反、給特法違反を塗り固めるような、固定化するような修正案になっているということは大変残念で許し難いものです。
そして、このことをどう考えたらいいのかなというのが、やはり国会全体を見渡す必要があるなと思いました。
本日、国交省でも似たようなことをやっているんですね。これはマンションの住民が被害者に当たるわけなんですけれども、欠陥住宅のマンションの住民が被害者なんですけれども、似たような構図なっているんですよ。
弁護士が、結局は附則を加えて元々の原案の政府の悪い修正案、法改正を通してしまおうという流れに対して警鐘を鳴らしています。
このように弁護士がおっしゃっているんですよ。
「大変難しい理論上の理論を含む問題ですが、まずは現実に被害や困難に直面している住人の救済を考えて、それをいかにして政策的に立法に反映するかを策定するのが国会の責務であると考えます。先生方には、是非改正案の問題性を御理解いただきたくお願いします。理論上の理屈を優先させ、国民はそれに合わせて生活実態を変えろというのは順序が逆です。まず立法事実があって、それを救うのが法律です。法は国民を守り、国民の健全な常識と秩序を維持するためにあると私は信じております。被害者は心身共に苦しんでおります。彼らに追い打ちをかけるような法令は容認できません。失礼ながら、与党も野党も、議員の先生方の間でこの問題についてしっかり議論が尽くされているとは思えません。性急に結論を出すことなく、もし議論が煮詰まっていないならば、せめて決議を延期し、更に十分な議論を尽くした上で結論を出していただきたくお願い申し上げます。」
これは、マンションの区分……
中村委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力お願いします。
大石 ええ、そうですね。
マンションの区分所有者の被害者の救済の観点から立法府の在り方を弁護士さんが外から叫んでくださっているものですけれども、これを給特法に置きかえれば、被害者は誰なのか。
学校の先生であり、生徒であり、保護者であり、ひいては国民全体です。
国会の外の今起きている被害の救済のために立法府があるのですし、国があるのですし、今回、文科省で、この文科委員会で、ほど遠い結論が今下されようとしていることに私は警鐘を鳴らします。
いいはずがないんですよ。
皆さん、そんなことでいいんですか。
委員長 御協力お願いします。
大石 これは文科委員会だけではない、今、国会全体で行われようとしていることです。
特に野党ですね。野党が、過半数であるにもかかわらず、このような附則で茶を濁す在り方。
今まで、附帯決議で茶を濁していた。附帯決議は法的拘束力がない。
でも、野党は、「過半数割れをした、だったら、やったあ、附則という法的拘束力のあるものに今まで附帯決議で書いていたようなものを書き込めるではないか。」
そのようなことをゴールにして、問題は解決しません。
理想論を言っているのではない。国民民主党も……
委員長 御協力お願いします。御協力お願いします。
大石 分かりました、まとめますね。対決よりも解決と言っているじゃないですか。
別に対決のためにやっているわけではありません。
委員長 御協力お願いします。
大石 対決のためにではなく、解決のためにこそ私たちは闘わなければならないんです。
私は、闘います。
終わります。
委員長 これにて討論は終局いたしました。
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委員長 これより採決に入ります。
内閣提出、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
まず、今枝宗一郎君外6名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。


※衆議院、文部科学委員会 会議録より転載。大石あきこ事務所にて編集
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