· 

2025年4月18日【大石あきこ・文科委員会】教員の授業準備は労働?非労働?参考人質疑

2025年4月18日【文部科学委員会 参考人質疑】給特法に関して、参考人に質問しました。

※赤字はブログ掲載にあたっての補足です。

====

委員長 次に、大石あきこ君。

 

大石 れいわ新選組、大石あきこです。

 

 

参考人の皆様には、どうもありがとうございます。

参考人の青木先生の方からも、働き過ぎの脱却なんだ、そして長時間労働への対応が必要なんだというお言葉をいただいて、恐らくここにいる委員の皆様も、そして先生方も同じ思いなんだと思います。私もです。

 

※4/18文部科学委員会 参考人質疑の全体の動画はこちらから↓

衆議院インターネット審議中継

 

質問は、中央教育審議会にも参画して議論を進めてくださった青木先生と貞広先生に、まずお伺いします。

青木先生からお伺いします。

冒頭申し上げました、青木先生、今日の発言でも、働き過ぎの脱却、長時間労働への対応という、長時間労働というお言葉を出してお話をいただきました。やはり、鍵となるのは「時間外在校等時間」になると思うんです。

そこもタイムマネジメントが必要なんだということで、中教審でも議論を進めてくださったものと思います。

この「時間外在校等時間」というのをどう考えたらいいのかなというのが、なかなか曖昧なものがあると思うんですね。

やはり、自発的なというところなんですけれども、先ほども委員からもありましたけれども、やはり、日本では特にかもしれませんけれども、学校の先生は非常に自発的で、これは自発性も求められる職場でもあるわけなんですけれども、そうすると、学校の先生も、自分が時間外に在校していて、時間外在校等時間ですね、これはどう考えたらいいのか、社会的にもどう位置づけられるのかというところが悩ましいものだと思います。

 

それで、青木先生にお伺いしたいんですけれども、

この時間外在校等時間に関しては、これは先生は、労働していると考えたらいいんでしょうか

あるいは、労働していないと考えたらいいんでしょうか

又は、何かそれ以外のものなんでしょうか。青木先生の御見解をお伺いします。

 

青木参考人 御質問ありがとうございます。

時間外在校等時間につきましては、労働している時間と考えることができると思います。

ただし、委員がおっしゃった自発的、創造的という点につきましては、先ほど別の委員にお答えしましたように、元々、教特法が考えられたときには、制定されたときには、第一層の専門性に注目して、自発的、創造的な時間だというふうに位置づけていた傾向が強いと思いますが、現在はやはり第二層のところでありまして、これが自発的、創造的かというと、やはり非常に大きな、いろいろな議論があると思います。

ただし、先ほど来申し上げましたように、本来は第一層の自発的、創造的なものを念頭に置いて制度設計されたのが教職調整額だというふうに理解しております。

以上です。

 

大石 青木先生、ありがとうございます。

貞広先生にもお伺いしたくて、貞広先生にお伺いしたいのは、今の私の最初の質問ですね、同じことを貞広先生にもお伺いしたいです。

時間外在校等時間は、これは労働している時間なのか、労働していない時間なのか、それ以外なのかという今の同じ質問が一点。

そして、貞広先生にはそれに加えて、貞広先生が今日の御説明の中で、時間外勤務に見合った調整額をというふうにおっしゃっていました。

そのおっしゃっているところの時間外勤務というのは、例えばこういうものは含まれているのか。

授業準備ですとか部活動とか保護者への対応ですね、

結構これに追われる時間が多いと聞いているんですけれども、そういったものも念頭に置かれていますか。この二点、お答えください。

 

貞広参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。

まず、青木参考人と重複をする形で御質問いただいた時間外等在校等時間が労働なのかということですけれども、私も労働時間であると考えます。

ただ、そのときに、いわゆる括弧つきの労働者の労働時間という解釈が成り立つのかというと、審議会ではそういう審議はしていなかったやに記憶しています。

と申しますのは、労働者かそれとも無尽蔵に自己犠牲をしてしまう聖職者かという区分ではなく、むしろ、学びの専門職としての先生方の働き方ということを考えたのが審議会の審議でしたので、いわゆる括弧つきで労働をしていますという時間とも違う労働というお答えをさせていただきたいと思います。

ただ、そのときに、先ほど青木参考人が専門性の発揮か公共性への寄与かというお話をされていましたけれども、例えば、すごく専門性の発揮に軸足を置いて自発的、創造的な活動をしているときもあるでしょうし、社会的ニーズに対応して非常に公共性に軸足を置いてということもあろうかと思います。

 

二つ目の御質問です。

授業準備、部活動、これらは勤務に入るのかということでしたでしょうか。

(大石「時間外勤務とおっしゃった、それはそういった時間を念頭に置かれているでしょうか」と発言)

 

そうですね、授業準備というのはまさに先生方のコアになるところだと思います。ただこれを、授業準備をやっていたら命令された勤務なのかそうじゃないのかということではなく、本当にこの授業をよくしたいのでということで、すごく時間をかけて授業準備をするというのもあるでしょうし、これは私はとても得意な分野で、本当に短い時間でも、研究しなくても十分今までの研究でできるのでという授業準備の時間と、同じ授業準備といってもその性質の異なるということが想定されると思いますので、一なのかゼロなのかというお答えはなかなかしにくいのではないか、実態としてしにくいのではないかと思います。

ちょっと御質問いただいたこととそれてしまうんですけれども、先生方に私は授業準備の時間をしっかり確保するということは本当に大事なことだと思います。先生方は授業をよくしたいと強く思っていらして、やはり授業をよくするためにはしっかりと準備をして教材研究をする、それでいい授業をして子供が分かったと喜んでくれることに働きがいを一番感じるんですよね。今、この授業準備の時間というのが十分に確保できていません。

例えばイギリスなどでは、週の中で必ず何時間、子供ともほかの職員とも保護者とも対応しない、静ひつな環境で授業準備をする時間をちゃんと校

長が全ての教員に確保しなければいけないということが義務づけられているんですね。実際には突然の保護者対応が出たりとか、突然子供が何かやったりしてその時間が十分に確保できないというところがあるようですけれども、学びの専門職としての先生方の専門性の発揮ということも考えて、まさにこういう自発的な授業準備の時間が確保できるということは非常に重要なことだと思います。

以上です。

 

大石 御丁寧にどうもありがとうございます。

ちょっと念のために再確認したいんですけれども、貞広先生が今日、時間外勤務に見合った教職調整額とおっしゃっていたので、その時間外勤務というのに今おっしゃったような授業準備、これは幅広いものだと思います。やっても切りがないものもあるかもしれませんが、ただ、一かゼロではないとおっしゃったように、ですので、

やはり時間外勤務、教職調整額に見合った時間外勤務というところの時間外勤務には、そういった授業準備も念頭に置かれているということでいいんですよね。端的に。

 

貞広参考人 はい、念頭に置いております。

以上です。

 

大石 ありがとうございます。

続きまして、佐久間先生にお伺いします。

佐久間先生の乗ずる数を変えて根本的に学校の先生を増やしていって、それで長時間労働を解消していく、定時に帰れるような環境を具体的につくり出していくというお話、非常に共感いたしました。

私はそういうことに共感している立場ということを表明しまして、佐久間先生にお伺いしたいのは、今回の給特法の改正に入れられている主務教諭に関してなんですけれども、主務教諭に関してお伺いしたいんです。

といいますのも、少し私は懐疑的に思っていまして、本当に長時間労働が解消するのかな、あるいは労働環境、お給料が本当に上がるのかなという懐疑的になっていまして、佐久間先生、お詳しければお伺いしたいんですね。

といいますのも、私は元々、大阪府の公務員をやっていたんですけれども、大阪市では2018年に主務教諭という制度を導入されまして、聞くと、主務教諭というのを導入されたらお給料が上がるんじゃないかというふうに思いたくなるんですけれども、これは実情はというと、給料表が、教諭と同じ二級の給料表に入ったんですよ。

その差別化のために、主務教諭になれない平の人はその給料表の74号でストップするという、ちょっとマニアックな話なんですけれども、お給料が下がっちゃったんですね。

そういう新たな職種を入れても、結局は、上がるように見えて下がっているじゃないか、特に、平教諭も下がるし、場合によっては主務教諭さえ打ち止めになるじゃないかという実際の制度もありましたので、ちょっと懐疑的になっていまして。

今回導入するという主務教諭が、主任教諭という東京都の先んじたその制度がモデルになっていると聞いているんですけれども。

佐久間先生も卒業生の中に東京都で働いている職員の方もおられると思うんですけれども、東京で全国に先駆けて主任教諭を導入した、その働いておられる教諭は、ほかの自治体で働いている教員よりもよい労働環境に果たしてなったのでしょうかというところで、もし実情、あるいは今回の制度の主務教諭で考えるところがあれば教えてください。

 

佐久間参考人 重要な御質問、ありがとうございます。

確かに、様々な自治体によって、主務教諭とか、前回主幹教諭という制度が導入されたときも同じだったんですけれども、

給料が上がるかと思ったら、俸給表全体が改定になって、

基礎が下がることで結局上がっていない、あるいはむしろ切下げになっていたというような事例も幾つもの自治体で聞きました。

 

※参考記事 東京新聞デジタル 2025年2月26日 

「主務教諭」新設に異議あり 現職教員らが文科省に反対署名4万筆提出へ「職員室の民主的風土が破壊される」:東京新聞デジタル

 

ですので、総財政量が変わらない中で階層を幾つつくっても、なかなか末端の教員に処遇改善が及んでいるかどうかということは難しいところかもしれません。

ですので、教員の人件費、3分の1は国庫負担で国が出してくださいますけれども、3分の2は各自治体が手当てしなければなりませんので、最終的にどのような効果があったのかということを是非、もし導入された暁には、国も責任を持って処遇改善になっているかというところを調査していただきたいというふうに希望しています。

それぞれの都道府県によって財政状況が大きく異なっています。

ですので、今問題になっているのは教員給与や処遇の都道府県格差です。ですので、東京都の場合は、全国の都道府県の中で唯一、義務標準法で定められた標準の数よりも多いフルタイムの先生が正規雇用として雇われている。逆に言えば、ほとんどの自治体では義務標準法で定められた標準の数以下の先生しかいないということになっています。その分何があるかというと、非正規雇用の先生方を賄っている。つまり、教諭の先生方の、正規雇用の先生方の給与を切り下げることで財源を捻出して、加配分でついた非正規雇用の先生の給与の財源に回すというようなことも行われています。

ですので、主務教諭については、本当に処遇改善につながるかどうかは都道府県によるというところは是非この委員会でも御確認いただいて、最後まで処遇改善につなげていただきたいというふうに希望いたします。

以上です。

 

大石 ありがとうございます。

場合によってはお給料が下がってしまう、めり張りをつけて配分といったときに、

物すごく一生懸命働いている先生でも逆に給料が下がってしまうという可能性もあるということを御指摘いただいたかなと思います。

まだ少し時間があるようですが、私が質問したいことはこれで以上ですので、終わります。

 

ありがとうございました。

※衆議院、文部科学委員会 会議録より転載。大石あきこ事務所にて編集

ぜひ、SNSでご家族や友人にご紹介ください!

Lineで広める Facebookで広める Xで広める