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2022年4月6日【内閣委員会】経済安保法 総理へ質問(審議⑤)

上野委員長 次に、大石あきこ君。

大石 れいわ新選組の大石あきこです。

 経済安全保障法案に関して、岸田総理に御質問します。

 この法案、今国会で最重要視された、最重要の法案とされたんですけれども、私は、これは何でやねんと。何でやねんと思うんですよ。

 先ほど岸田総理が、国家安全保障戦略ともリンクしていてと、国民に何が必要なのか考えていくとおっしゃっているんですけれども、まだ分からないんですか。

 今国民がどういうところで危機になっているのか。多くの人が、衣食住という時点でもう生活の危機に瀕しているじゃないですか。そして、国内の産業がすかすかになって、非正規雇用がいっぱい増えて、みんなが夢を持てないでいる。そして、マスクとか食料も自国で生産しないようになってきている。この法案では、これが解消できないんです。自国でマスクも作れない、この法案はこれさえ解決できないんですね。

 それで、今何をするべきかというふうに考えたときに、まず反省するべきではないか。他国の行為で供給途絶とか言うてる場合じゃない。自国で、自国の失策で需要が失われて、それで、今供給途絶さえ起ころうとしている。そういうところに、反省して、今何が必要かと考えれば、消費税廃止であり、インボイス制度の廃止であり、ガソリン税の廃止であり、安定した雇用をたくさん供給していく、一律の給付金を早急に議論していく、そういうことが今この国会で一番大事だと思っているんです。

 この法案が最重要だというのはおかしいと思っているんです。優先順位として、いかがですか。

岸田内閣総理大臣 今、国際社会を考える際に、国際社会自体が複雑化し、そして変化する中で、経済と安全保障、これを横断的に考えるという観点は、国民の暮らし、そして日本の経済、日本の社会を守るためにも重要であるという認識を持っています。

 そして、こうした経済安全保障の考え方に基づいて政策を進めていくこと、サプライチェーンの強靱化を始め様々な取組を進めていくことは、日本の経済の強靱化にもつながる課題であると思います。

 そういった観点から、こうした経済安全保障に取り組む、またこの法律を成立させる、これは、国民の暮らし、これを充実させる、安定させる、こういった観点からも重要な課題であると認識をしております。

 委員の御指摘の点についても、経済安全保障の切り口からも、政府として、そして国として、そして国民として、努力をしていくことが結果につながると考えております。

大石 でも、この法案ではマスクを作るということすら範疇外なんです。だから、それがだましになっていると思っているんですよ。

 そして、自国での供給をちゃんと確保していくという上でも、この法案によって国際的な緊張が高まって、かえって悪化するものだと考えております。

 時間が終わりましたので、以上です。ありがとうございました。

 

 

【討論】

上野委員長 次に、大石あきこ君。

大石 れいわ新選組、大石あきこです。

 私は、この経済安全保障法案に関し、内閣提出法、立民修正案、維新提出法案のいずれに対しても反対の立場から討論を行います。

 まず、この法案原案である内閣提出法案についてです。

 改めて、この法案は、経済安全保障という名の下で、国民の期待を錯覚でだますものだと考えております。国内生産が脆弱化し、供給の面でも雇用の面でも不安定に置かれている国民の、変えてくれるという期待を錯覚でだますものです。これは国民にとっての経済安全保障ではないことがはっきりしました。

 さらには、この法案を作ってアメリカの中国封じ込め戦略に乗ることは、無駄に国際的な緊張を高めることでもあります。まず、日本政府自身の失策によって他国の輸入に依存する経済をつくり上げてしまったこの大きな危機を見据え、まずは全方位的平和外交によって東アジアの緊張緩和を追求し、また、激しいグローバル競争を見直し、国民に必要な供給と生産体制を真面目に議論し、シフトしていくことこそが、国家及び国民の安全というこの法案概要の言葉に資すると考えられます。

 さらに、この法案は、通った場合に国内的にも問題があって、経済戦争を大義名分に、国民や労働者の自由や権利を侵害するものだと考えられます。

 第一には、本法案原案が、民間企業の経済活動を国家が無理やり軍事に従属させるという経済版戦争法そのものであるからです。このことにより、自由闊達な技術革新によって民生の安定と向上を図るという人類の英知が、一転して戦争遂行手段へと悪用されてしまいます。

 第二に、このような戦時経済体制の下、民間人に対して、事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならないなどとして、罰則付守秘義務を課すものとなっている点です。この秘密は、二〇一三年に強行採決された秘密保護法上の特定秘密にすら該当しない事項です。国家秘密の無原則な拡大であり、大問題です。

 立民修正案に関しては、必要最小限の規制や政府による国会への報告を盛り込んだ点などについてはよいところですが、原案が持つ根本的問題を払拭する修正に至っておらず、同じく反対します。

 維新提出法案に至っては論外です。新たな国際経済秩序の形成の促進として、世界を二つのブロックに分断し、軍事的、経済的緊張を更に高めるものですし、国内的には、事業者にサプライチェーン情報を有事なんだから協力しろと罰則で脅すという、強権的で勘違い甚だしいものです。

 以上のことから、内閣提出法案、立民修正案、維新提出法案の三案全てに反対いたします。

 以上です。(拍手)

 

※衆議院、内閣委員会 会議録より転載

 

 

その後、可決されました。

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