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2022年3月4日【内閣委員会】カジノIRについて

上野委員長 次に、大石あきこ君。

大石 ありがとうございます。初めて質問に立ちます。れいわ新選組の大石あきこです。

この内閣委員会において、私は、やるべき政策を訴えたいです。

 

過去25年間、コロナの前から実質賃金は下がり続け、景気も、欧米と比べて回復していません。

ガソリン税をゼロにすることや消費税の廃止、社会保険料の軽減など、

所得を増やして個人消費を支えること、安定した雇用と賃上げが不可欠だと考えます。

しかし、本日は6分しかないので、やってはならない政策、カジノの問題に絞って御質問します。

日本のカジノ、IRについては、国内3か所を上限に、自治体が誘致を進め、

自治体が申請してきた整備計画を基に国が認定するという手続になっています。

 

現在、大阪府市のほか、和歌山県、長崎県が手続を進めています。

しかし、このカジノは、今まさにやってはならない政策です。

国は、IR推進法を2016年に制定し、カジノとは直接言わずに、

IR、すなわち統合型リゾートという名前で推進を図っています。

しかし、このIRの収益全体に占めるカジノ部門の収益は8割から9割を占めると言われています。

IRというのは、ばくちで泣いた人が多いほどもうかる、矛盾した巨大ビジネスです。

もうかるも地獄、もうからなくても地獄なんです。

まずは、もうかる地獄の方についてお尋ねします。

カジノのカニバリゼーション効果、共食い効果というものが知られています。

例えば、住民さんがカジノで10万円すってしまった、

でも、この10万円は、カジノですっていなければ地元で遊んだかもしれない、

食事したかもしれない、子供に使ったかもしれないお金です。

このカジノの共食い効果について、国は具体的な推計や検証を行ったことはありますか。

イエスかノーかでお答えください。

泉田大臣政務官 お答えいたします。

委員御指摘のとおり、IR整備法上の、IRの整備につきましては、自治体の総意に委ねられているということであります。

経済的な効果については、具体的には各地方自治体が事業者とも相談しながら算定をするものということになりますので、

国といたしましては、計画に盛り込まれたIRの経済的効果、

これについてしっかりと審査をしてまいりたい、このように考えております。

大石 本当にしっかり審査していただきたいんですね。

私の地元の大阪でいえば、この共食い効果は計画では見込まれておりません。

どの自治体も、カジノで年間数千億円の売上げを見込んでいるんですけれども、それだけ共食いの影響も大きくなるものです。

静岡大学鳥畑教授によると、ある推計では、共食い効果はカジノ収益の6割、

その分、地元の消費が落ち込み、小売業や飲食業が淘汰されるということでした。

次に、もうからない方の地獄についてお尋ねします。

国がIR推進法を制定したのは2016年です。コロナも起きていなかった。

ウクライナ情勢など、世界の激変も想定外だったはずです。

人の流れやお金の流れは以前より大きく制限されています。

この状況は、IRの収益にとって大きなマイナス要因と思いますが、いかがですか。イエスかノーかでお答えください。

泉田大臣政務官 IRの整備の効果について、先ほど自治体の総意と言ってしまいましたが、

発意ということですので、済みません、訂正をさせていただきます。

その上で、IRの収益につきましては、現在、IRの整備、これが、2020年代の後半、

このスタートを目指して、各地域が現在、事業者の選定作業を行っているという状況であります。

したがって、IRの収益が、世界の現状がこのような形で、どのような形で変化しているのか、

マイナス要因になるのか、場合によってはリバウンド需要の可能性というのもありますので、

現時点において定かな見通しを申し上げるのは難しいかなというふうに考えております。

大石 IR推進法を作ったのは国なんですよね。だから、この情勢変化を受けて、

こうだよという方向づけを示すのも国の責任ではないでしょうか。誰がどう考えても、人は来ないでしょう。

大阪市でも、IRでMICEビジネスがどうなるか見えない、そのようなことは認めているんですけれども、やはり走り出したら止まりません。工事費や人手がどんどん持っていかれます。このような地獄をいまだに推進しているのはおかしい、だから国がストップするべきだと考えています。

 私の地元大阪の話をお伝えします。維新府政、市政が、8月28日までの国の認可申請に躍起になっているんですね。カジノ業者が、コロナが収束して観光需要の回復に見通しが立つまで協定を結ばないと言っている状況なのに、2000億円を超える工事を強行しています。突っ走っているがゆえに、大阪市は住民に情報を隠しています。

 資料をお示しします。パネルの1です。

これです。これは、夢洲まちづくり構想のときのカジノの、IRの経済波及効果、一兆円程度あるということなので、その根拠となる基データを情報公開請求したものですが、このように黒塗り、非公開でした。えっ、質問時間が終了。

 あと1枚あるんです。

 ほかにも、直近のIR計画、これはコロナ後のものですけれども、同じように経済波及効果の基データを求めたところ、全部を公開しないということでした。これらの状況で、住民の十分な合意形成と言えるわけがないですよね。

 お尋ねします。住民合意なき認可はするべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

泉田大臣政務官 国の立場なんですけれども、自治体からの申請につきまして、計画の認定の可否を判断する立場にございます。したがいまして、個別自治体をめぐる状況についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

 その上で、一般論で申し上げたいと思います。国に申請するに当たりましては、法律に基づきまして、地域の理解を得るため、様々な手続が定められております。適正に手続が行われたかどうか、しっかり確認をさせていただきたいというふうに思います。

大石 大阪においては、コロナの、住民合意が言えるわけないんですよ。コロナで、11回の住民説明会を8回で終わらせています。このことも考えて、認可はやめていただきたい。そして、本来の経済に回帰すべきときです。この国に生きる……(発言する者あり)

上野委員長 静粛にお願いします。

大石 必要な生産を行い、それを住民が享受するような経済に回帰するべき。これはカジノではありません。今後も、質問の機会をまたいただきたいと思います。これで質問を終わります。ありがとうございました。

 

※衆議院、内閣委員会 会議録より転載

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